25.6.1王たちの流儀 Vol.2:米原幸佑

思いだす

米原幸佑が語る王ステ 3人の主人公

『王たちの流儀』第二弾は、米原幸佑さんが登場。

王ステ最古参キャストの1人であり、確かなキャリアと音楽活動での経験に裏打ちされた圧倒的な演技力・歌唱力で物語に力を与える。

時にラスボスとして、時に主人公としてシリーズの軸を担ってきた彼の眼から見た『王ステ』。その全貌に迫る。

–『屍の王』を振り返るにあたって、まずはお1人で三役演じることになった経緯をおしえてください。

米原:たしか別の現場で高岡と会った時に「幸佑くん、次の王ステ三役演じるらしいっすよ」みたいなこと言われて。

–高岡さんから?

米原:そうなんすよ。

「(演出の)吉田くんがそういうこと考えてるらしいですよ」って聞いて「え、三役!? 」みたいな。

–率直にどう思われましたか?

米原:「オッケー!」みたいな笑。

芝居に関しては僕、ドMというか。カロリー高いほうが燃えるタイプなんで。「見とってください!」というような感じでしたね。

–では一役目・ウィレムですが、物語の立ち上がりの役はいかがでしたか?

米原:ウィレムはもうずっと挫けてる笑。すぐ「ダメだ!」「無理だ!」って言うような人なんで。

まぁでも、いい人なんでしょうね。いい従者たちに支えられているのが彼の人柄なのか。

ウィレムがすごい有能なのかと言われたら分からないですけど、人間味のあるキャラクターですよね。

–従者たちに支えられてというところで、挫ける度にダグラスやオルデに励まされる場面もありました。

米原:ですね。ウィレムがある意味ではいちばん情けないというか、いちばん励まされていたので。

だからこそ、周りには思いっきり甘えていましたね。思いっきり挫けて、思いっきり励まされる構図というか、振れ幅を意識しました。

ウィレムのシーンはどれも、それぞれの個性とか能力を活かしてひとつの国をどうにか動かしていこうという、立ち上げたての会社みたいな雰囲気がありました。「みんな助けてー!」っていう笑。

–たしかに、マウリッツやフレデリックが生まれた場面などは、心あたたまるようなシーンもありましたね。

米原:総じていちばん人誑しなのは、ウィレムなのかなって思いますね。

–そんなウィレムはバルタザールの凶弾にたおれてしまうと。

米原:ですね。意外とあっけなく死んでしまうというのが、結構衝撃的でした。

–私も初見で観ていて「本当にもう死んじゃうの!? 」という感想でした。

米原:でも、あの時点でもう2リットルぐらい汗かいてます笑

–そしてウィレムの意思は、その息子のマウリッツへと受け継がれるわけです。

米原:あのシーンでみんながすごい言ってくれるのが、ウィレムがすごい泥くさくて人誑しなのに対して、マウリッツが出てきた瞬間にホントに別人に見えたっていう。

演じる身としては「よっしゃ、勝った!計算通り!」という感触でしたね。

–マウリッツは軍事革命や経済革命など、政治的手腕にもかなり長けています。個人的な印象としては、メフメトとも通じるような部分も感じたのですが…。

米原:たしかにそうですね。ウィレムに比べると冷酷というか、真逆な性格なんで。たとえ部下であっても、自分の成し遂げたいことの為なら殺してしまうような一面もありますし。

でも国の上に立つ人はああいう人なのかなっていうのが、演じていた感想でしたね。

オルデと台詞でバチバチにやり合うシーンなんかはまさしくそうですけど、マウリッツに入ってからはめちゃくちゃ会話劇なんすよ。ウィレムのシーンはどちらかというと青春群像劇みたいなイメージで。

なので毎日稽古をやっていく中で、ちょっとずつ芝居のニュアンスが変わっていったりして…そのやりとりがめちゃくちゃ楽しかったですね。

–物語が進むにつれて、マウリッツが徐々に冷酷さを色濃くしていくような表現もされていましたが…。

米原:ですね。そういうグラデーションとかも毎日楽しみながら。

やっぱりみんないい役者なんで、投げたらいい球返してくれるんです。だから「今日はもっといったろかな?」とか「今日はちょっと引いてみよかな?」とか、そういう“役者同士の阿吽の呼吸”みたいなのを楽しんでいましたね。

–そういったことは事前に打ち合わせたりされるんですか?

米原:いやもうまったく笑。その場で仕掛けたりして、そうすると「そうきましたか!」みたいな顔しよるんですよ。ハケた後で「今日ヒリヒリしましたねえ」とか話しながらやっていました。

–そして、いよいよ3代目のフレデリックへとつながるわけですけれど。

米原:フレデリックさんはもう“戦隊ヒーローのレッド”というか、ザ・主人公っていう感じですかね。

僕としても、ウィレムで最初に青春群像劇をやって、マウリッツで会話劇をやって、最後にフレデリックで戦隊モノっていうような構成で、楽しかったですね。

–そういった構成も吉田さんと相談されたんですか?

米原:いや、シーンごとの擦り合わせとかはしましたけど、『屍の~』の時はお互いそんなに悩んでいないかも。

殺陣のシーンは、吉田くんと(鵜飼)主水と一緒に「ここ二刀流でいきたい!」とか「ここで銃撃ちたい!」とかは言っていましたけど、作っていく過程でそんなに悩んだり困ったりとかはしなかったですね。

–今、主水さんのお名前が出ましたけれど、『屍の~』は特に殺陣・アクションのシーンが多かったと思うのですがそのあたりはいかがでしたか?

米原:彼は演者の「こうしたい!」っていうのに柔軟に応えてくれるので、殺陣師としてすごく頼りがいがある男ですよね。普段は僕と同じ酒呑みですけど笑。

本人もプレイヤーなので、役者の気持ちが分かるというのはすごいやりやすいです。こっちからの意見も汲んでくれるし、向こうも「ここやりづらいよね?」みたいに気付いてくれるので。

それこそ最後のフレデリックVSヴラドなんかはもう「ド派手にいこうぜ!」みたいに言って、二刀流でやったり銃持ったり、やりたい放題していました笑。

–『屍の~』では、今となってはお馴染みのキャストさんも多く出演されていましたが、当時から親交はあったのでしょうか?

米原:いや、当時はそれこそWヒロキ(高岡裕貴と佐藤弘樹)と主水くらいしか知らなかったっすね。ほとんどはじめましてでしたし、やることが多すぎてみんなとコミュニケーションをとる暇もなかったので、お芝居から普段の関係値が作られていきました。

時勢柄、気軽に呑みいこうぜ!みたいなのもまだまだできなかったですし。

全部終わった後にふと、みんなと普通に会話していることに気づくみたいな。そういう意味では、『蒼穹~』の時の方がみんなと話したかも。

–『屍の~』では『黒の~』のヴラドと立場が入れ替わったような構図でしたが、佐藤弘樹さんとのお芝居はいかがでしたか?

米原:彼はドンと構えた実直な人なんで、僕が役として芝居の中でどんなに揺らいだり日毎にニュアンスを変えたりしても、受け止めてくれる学級委員長みたいな人なんですよね。

『黒の~』の時は彼が主人公で、めちゃくちゃ大変そうやったんで支えてあげなあかんなって感じやったんですけど、逆に『屍の~』の時は僕がほかのキャストのケアができない分、裏でコミュニケーションをしっかり取ってくれていた感じでしたね。

僕はお芝居で引っ張っていくから、ケアよろしく!みたいなのは、言わんでもやってくれてました。「背中は任せた!」的な。

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