25.6.1王たちの流儀 Vol.1:高岡裕貴

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高岡裕貴が語る王ステ 多数の顔と正念場

『王たちの流儀』第一弾は、高岡裕貴さんが登場。

王ステ最古参キャストの1人であり、稽古場では他キャストの立ち位置・動線まで把握しているというプロフェッショナルを見せる。

 

王ステにとってなくてはならない存在である彼の視点をたどってみた。

『黎明の王』を振り返る

 

–ラドゥロヴィッチはエイトンやジョバンニともまた違った印象のキャラクターでしたが、いかがでしたか?

 

高岡裕貴:そうですね…ラマザンぶりにかなり男らしいというか、荒々しいような役柄ではあったんですけど。でもあくまでも村人であって、どちらかと言うと犠牲者側の立ち位置ではあったので強すぎてはいけなくて。そのあたりの、強さのレベルみたいなところは(鵜飼)主水さんともかなり話し合いましたね。

 

作品としても『黎明~』はチームがはっきりと分かれていたりとか、その上で謎解き要素もあったりとか、そういった意味では王ステシリーズの中でも“異色な作品”という印象ですね。その中で、力が及ばない虚しさ、儚(はかな)さみたいなものを見せなきゃいけないよねっていうのは、ソロトゥサの4人で話し合いました。

–シリーズ4作目ということで、殺陣にはかなり慣れてきたのではないでしょうか。

 

高岡:どうなんですかね?笑 でも“主水さんがやりたいこと”みたいなものは、なんとなく分かってきた気がします。とはいえ、王ステとともにあの人もどんどん進化していってるので、僕らほかのキャスト陣もそれに置いていかれないよう喰らいついて頑張ってます!

 

–主水さんの進化というのは、間近で見ている高岡さんの眼にはどう映っていますか?

 

高岡:すさまじいですね。黒の王の殺陣がシンプルに見えてしまうくらい、主水さん自身のスキルももちろんですけど、あの人の中でのやりたいことだったり魅せ方のバリエーションがだったりがどんどん増えていっているので。

 

やはりそれは主水さんが日頃から「もっとカッコよく、もっとエンターテイメントに!」と研究されてるので、作品を追うごとに“王ステらしいアクション”というのがどんどん洗練されていっているのを感じますね。

–4作続けて上演した(会場の)六行会ホールには、何か思い入れはありますか?

 

高岡:いっぱいありますね。始まりからずっと、王ステといえば六行会だったので。使い慣れてるからこその安心感もありましたし。

僕に関しては演出部のお手伝いをすることも多くて、それこそ『屍の~』の時なんかはワーテルヘーゼンで出る前にスモーク打ってました笑。

 

–そんなことまでやられてたんですか!?

 

高岡:公に語るのは初めてなんですけど笑。

他にもサーヴァントの小道具の介錯したりとか、裏周りをしたりするのも大好きなので。吉田さんや演出助手の長谷川さんとも長くやっているので、どこにどれだけ人員がいるのかとかも分かりますし、やれる事は表も裏も全部やりたいんですよね。

 

そういう意味でも安心感はありましたね。どこに何があるのかも、どこで準備しておくのがいちばん相手にとってありがたいのかも、楽屋から舞台袖まで何秒かかるのかも全部分かっていたので。いちばん慣れ親しんだ劇場です。

『蒼穹の王』を振り返る

 

–慣れ親しんだ六行会ホールを飛び出して新たな劇場での上演となりましたが、当時の心境はいかがでしたか?

 

高岡:ワクワクと、正直言って怖さもありましたね。シンプルにより大きな劇場で、客席を埋められるかな?というのももちろんなんですけど。

そんな中で座長の矢部(昌暉)くんは王ステ初参戦なこともあって、彼はもともと王ステを好きでずっと観てくれていて、別作品で共演した時にそれを聞いて僕からも「ぜひ出てほしい!」とプッシュして。

フレッシュでエネルギーに満ちた座長を、僕らがしっかりと支えていかなければならないという意味でのプレッシャーもありました。

 

–王ステとしても高岡さんとしてもひとつの正念場だったと。

 

高岡:そうですね。あとこれは、吉田さんとも話してた部分なんですけど、『黎明~』でひとつ王ステシリーズとしての最高点が出たというのはすごく感じていて。作品そのもののクオリティもそうですし、お客様の反応、役者陣の力量…どれをとってもハイレベルな作品に仕上がった自負があった分、『蒼穹~』ではそれを超えなきゃいけなかったので、改めて挑戦の気持ちでしたね。

–先程も少し話題に上がりましたが、高岡さんから見た“サーヴァント”とはどのように映っていますでしょうか?

 

高岡:王ステにおけるサーヴァントは決してアンサンブルではないと思っていて、「サーヴァント」という役名を吉田さんもあえて与えているので。

もちろん台詞の有無とかそういった違いはあれど、彼ら一人ひとり個性が少しでも出て、同じいちキャストとして一緒に作品をつくっていきたいという気持ちで彼らと接するようにしています。

 

–蒼穹では日替わりパートで生まれた「プーター(演:佐野遥喜さん)」が、お客様のあいだで話題にもなりましたが、あのシーンも高岡さんが中心となってつくられたとか…。

 

高岡:そうですね。これももはや名物みたいになってますけど、日替わりをやってくれって吉田さんから任せてもらえることも多くて、せっかくやるならサーヴァントも絡めた方が絶対おもしろいと僕は思っているので。

『黒の~』の時は筋力ありそうな2人を捕まえてトリオ芸みたいなことやったりとか、『星屑~』でも同じようにトリオ芸やってみたり。

お客様を楽しませるのはもちろんなんですけど、キャスト自身が楽しむのも大事ですし、何より僕は吉田さんに、吉田さん自身が書いた脚本以上に面白いと思ってほしくて。稽古の時から通しの度にネタを考えて、上手くいったものは劇場に持ってくんですけど、やっぱりフレッシュな笑いってあると思うんですよ。完成したものをお客様に届けるのはもちろんなのですが、そういったところでより面白くしたいなとつくっています。

–そういった思いの一環でプーターというキャラクターも生まれたんですね。

 

高岡:そうですね。なので決してその場のノリとかでやってるわけじゃなくて、裏でも入念に稽古して「そのタイミングだと早い」とか「ここはしっかりとオンで言ってほしい」とか。お客様を楽しませたい、吉田さんを楽しませたい、その一心でみんなでこだわってつくっています。

–ご自身が演じられたストーンについてはいかがでしたか?

 

高岡:じつは『蒼穹~』が始まる前に吉田さんから「今度はどんな役やりたい?」って聞かれて。キャストの顔ぶれを見て真っ先に「カッコよくない役をやりたいです!」とお願いしました笑。それもあって村の3人は少しダサいところもあって、三枚目の方が僕らの立ち位置的にはかえって活きるのかなと。

–ストーンは王ステの歴代キャラの中でもかなり“人間らしい”役に見えたのですが、そのあたりは意識されていたんでしょうか?

 

高岡:めちゃくちゃ意識しましたね! 台本の字面をなぞっただけでは“ただのいやなヤツ”で終わってしまうなと思ったので。誰よりも自分にワガママで、自分ファーストで生きてるんですけど、全体を通してみた時に「それも彼なりのひとつの正義だよね」って感じてもらえるように演じましたね…ただの腹黒い、計算高い男にはならないようにしました。

 

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王たちの流儀 Vol.1:高岡裕貴
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