26.6.30南武杏輔 単独インタビュー 【前編】

語りあう

「キャラクターが動いている、そう見えるように」

 

女王ステシリーズの殺陣振付師、南武杏輔。シリーズ4作目『女王輪舞』から関わり続け、今年の新章『Rose』で11作目を迎える。10作品の記憶を、殺陣師の目線から振り返ってもらった。

 

①『女王輪舞』——「この現場が、僕を育ててくれた」

 

 

アセビカンナ: 南武さんが殺陣振付師として作品に携わり始めたのが、シリーズ4作目『女王輪舞』からですね。こちら、今振り返っていかがですか?

 

南武: 現場でも言わせていただいたんですけど、あんまり作品には関係ないかもしれないですけど、僕を殺陣師としてすごく成長させてくださった現場だなっていうふうに思っていて。本当にまずこの企画のお話をしていただいた時に、すごくこの場を借りて感謝したいなっていうふうに思っていて。殺陣を振り付けるスピードですとか、現場のスピード感もそうですし、もちろんクオリティもそうですし、考え方とかもそうですし、ありとあらゆる面で本当にこの女王ステ、輪舞に関われたことで、僕の殺陣師としての、なんていうんですかね、「クオリティが上がったね」と、本当に外の現場に行ったときに言っていただくことが増えたので。本当に感謝をしている作品です。出会わせてくれて、出会ってくれてありがとう、感謝が、もう本当に一番思い浮かんだことでした。

 

で、輪舞は初の女王ステだったんですけど、やっぱり世界観が、その、不死身のキャラクターがいるっていう作品が初めてだったので。なんだかんだね、やっぱりその切った張ったっていうと、どっちかが倒れて終わり。でもこの作品に関しては、倒せたとしても、不死者に関してはね、次作も生きてる可能性があるっていうことだったので。

 

で、輪舞は特にこの、僕はシリーズ初参加だったんですけど、赤・楽園・純血で活躍していたキャラクターが再登場する。で、新キャラクターのジャックと出会うっていう、そういうシリーズの言うなれば記念作品ではないですけど、そういった側面もあったのかなと思って。で、それまでは、前作、3作までは殺陣師というものが現場にはいないっていうのが女王ステだったんで、自分が勉強してきたことで作品をより彩れたらいいなと思ってやらせていただいていましたね。本当に世界観に圧倒されたなっていうのが作品の印象としては一番持ってます。

 

アセビカンナ: 一方で当時はコロナ禍だったと思います。2021年ですね。当時の現場の様子はいかがでしたか?

 

 

南武: あの時にはやっぱりあの時にしかない雰囲気っていうのがあったなって思って。特にそのアクションシーンのね、僕振り付けを担当してるんですけど、アクションシーンって当然こう息が上がるわけですよ。声を出しながらやったりとかで、あの時って本当にみんなマスクをつけてやっていたから、とにかくみんなが頑張ってくれたなっていう印象がとっても強くて。その苦しい中でも作品をね、それこそあのコロナ禍っていうのは観客がMAXでも半分になったりとか。その中で、その半分になったお客様に届けるためにみんなが一生懸命になっていて。だからこの今改めてあの時を振り返ると、すごい熱量でやってたなって思います。見られるお客様は少ないかもしれないけど、でもそのお客様に向けて全員が一丸となって作り上げている、自分たちは苦しい環境の中でやらなきゃいけないっていう状況の中でもやってくれたのが本当に僕にとってはすごく励みになりましたね。頭が下がります。

 

アセビカンナ: そして先ほど少し名前が出ましたけれども、女王輪舞はジャック(演:生田輝)を主人公として、アン(演:星守紗凪)、エリザベート(演:栗生みな)、アメリア(演:千歳ゆう)、リリィ(演:岡田彩花)だったり、過去作の不死者たちがほぼ勢揃いするような作品でしたけれども、このジャック、アン、エリザベート、アメリア、リリィ、このあたりのアクションについて、もう少し具体的にお伺いしてもよろしいでしょうか。

 

南武: 先ほどもお話ししたんですけど、僕は女王ステが初めてだったんですよね。だったから、過去作から出てるって言われても、「うわっ、どんなキャラクターなんですかね?」みたいな。そっから入って、当時、特にお話をさせていただいたのは、シリーズ通して作品を引っ張ってきてくれていたエリザベートの栗生さんと、アメリアの千歳さんにお話を結構伺って、この作品の不死者ってどんな感じなんですかとか、たくさんお話を聞かせてもらいましたね。

 

エリザベートから見た、それこそ本当に作中のエリザベートと同じですよね。この作品世界を通してこの1〜4作品を生きてるってなかなかないですから、その人たちから話を聞いて、じゃあこんな振り付けいかがですかっていうのをたくさん提案させていただいたのを覚えてます。

 

ジャックにはやっぱり華麗さですかね。男らしさと言い換えてもいいかもしれないですけど、その、いわゆる男性的なかっこよさ、スタイリッシュさをすごく求めていた。だからこそ蹴り技が多かったりとか。

 

で、剣とかじゃなくてステッキなんでね、打撃もあったり、あとはお国柄ですよね。イギリス、ロンドンが舞台だったこともあって、紳士の国じゃないですか。だからある種のスタイリッシュさを、生田さんに、どういう風に立ったらかっこいいかなとかっていうのをお話しさせていただきながら作った記憶がありますね。

 

で、アン、星守さんにはすごくナイフを使ってアクティブなキャラクターだという風に伺ったので。台本を読んだだけだと結構アンっていわゆる可愛らしいキャラクターに輪舞だと序盤は特に見えているので、その獰猛さをどう出すか。アンには動物的な獰猛さをやってもらったのを覚えてますね。ジャンプをしながら切ったりとか、そういうアクティブさはたくさんやってもらいました。

 

エリザベートは不思議でしたね。栗生さんにお話を聞いていて、「エリザベートって、戦うんですかね?」って聞いたんですよ、当時。ロンドン塔に収監されていたんで、戦う意志があるのかどうか、そもそも逃げようと思えば逃げれる環境にいるにもかかわらず何もしない。

 

なぜなんだろう?っていう話になって、いや、そもそももうそんなに、戦ったりすることに興味がないっていう。やっぱり人間って、アクションシーンがある時って、大義を貫くためであったりとか、守らなければならないもののために戦ったりとか、そういう理由があって、このエンタメ作品という中では戦うことが多いんですけど、そうじゃなく戦うっていう、不思議な視点ですよね。ある種、このエリザベートって、赤・楽園・純血を通して、かなりダークヒーロー的な立ち位置なんですよね。輪舞では、特に悪人がいても、対処しない。

 

で、最終的に裁きを下すような感じで、エリザベートが立って戦う、立ち回るっていう感じだったのが面白かった。ある種神様視点というか、人間じゃないものの代表として戦っているみたいな。

 

アメリアはね、すごく人間的というか、盲目的ですよね。主、エリザベートのために戦うっていうのがもう徹頭徹尾、それだけで戦える人。で、アンっていうのは、ストレスの発散のために戦える人。

 

ジャックっていうのは、当時守らなければいけない娘たちのために戦っていて、じゃあエリザベートって何のために戦ってるんだろうってなったら、人間ではないものとして、ふと気まぐれに、なんか「自然」みたいな感じですよね。そういう立ち回りもあるんだなって思って、今振り返ってみると、すごく面白い体験になったなって改めて思いました。

 

で、リリィについては、岡田さんが演じてくださったんですけど、不死者の中でもいろんなところを転々とする旅をしていく中で生き残らなければならないから必然的に強くなってるっていう。アンとジャックとリリィって、実は3人とも戦う理由ってちょっとずつ違って面白いんですよね。アンはストレス発散、ジャックは娘のため、リリィは生き残るために戦ってきたっていう。

 

それぞれのキャラクターが戦いに向き合う姿勢が違う。その違いをどう振り付けに落とし込むかっていうのがすごく楽しかったなと思います。

 

②③④『女王演義』『赤の女王』『純血の女王』——「シリーズの原点に触れる」

 

アセビカンナ: 続いては『女王演義』でございます。南武さん的には女王ステ2作目になりますが、こちらいかがでしたでしょうか。

 

南武: 今までのこの洋風な衣装から一気にアジアンテイストになったので、演出の吉田さんと、子供の頃に見ていた香港映画の話で盛り上がりましたね(笑)。イルミナスさんの他のガールズものにも関わらせていただいているんですけど、ガールズものに必ず出てくるテーブルがあるんですよ。それに当時の舞台監督さんにお願いをして、ここに補強・筋交いを入れてもらえませんかって、ここの上で何かしたいんですって言って。ジャンプで越えたりとか、手をついて飛び箱越えたりとか、パルクールみたいな感じでそういうのをやりたいから、丈夫にしてほしいって。だからそのテーブルを使ってのアクションシーンがちょっとだけあって、それが面白かったですかね。椅子をちょっと倒してみたりとか、なんかそういうドタバタした雰囲気みたいなものをやるのが楽しかったかな。そこがかなり輪舞と差別化してたイメージがあります。

 

中国的なニュアンスについては、もちろん武器が違ったのが一番大きいかなと思います。あとは、一番は身体性の違いとかなんだと思うんですけど、演義に関してはそんなに立ち回りのシーンって多くなかったんですよね。アジアンテイストを多く出そうっていうふうには、僕の方からはあんまり思っていなくて、なんだろうな、これも徐福(ジョフク)の身体性を大きくしっかり出せればいいなと思って。

 

この後、女王演義があった後に輪舞に行くっていうことだったので、当時の打ちのめされている徐福を演じてもらう。だからその、ぼこぼこにされたりだとか、それがすごく印象的に残っているんですよね。生きることを諦めている不死者が、人間からの暴力を受け入れるというか。

 

一番最初のシーンなんですけど、一番僕がこの演義の中で女王ステらしいシーンかなと思いました。なんかその、世界が残酷である。で、ジャックって輪舞・演義と娘想いなんだなっていう部分がかなり強調されてる気がしたから、それを捨ててきたんだ自分はっていうので、何をされても受け入れる。

 

不死者って痛みはあるっていう設定だから、不死身ではあるんだけど痛みはあるんでそこを受け入れて、自罰的な姿とかがすごく素敵だなって思いながらやってました。アクションシーンで強いて言うんであれば、テーブルとか椅子とか使ったなっていう、それは僕なりの香港映画へのオマージュだったりしました。

 

アセビカンナ: 続いて立て続けの再演になります。まずは『赤の女王』の再演でございます。シリーズ一作目の再演ということで、こちらいかがでしたでしょうか?

 

南武: まあ、原点ですからね。当然、映像・資料を見させていただきましたし、リスペクトしながら。当時はたぶんすごく女性的な表現、ダンス的な表現に寄っていたなって思って、それはもうむちゃくちゃ美しかった。じゃあそこに殺陣師が入ることによって、力強さとか、エリザベートの絶対的な強さがもたらす絶望感が加わったらいいなっていうふうに思いながら振り付けをしていったのを思い出しますね。

 

礼儀作法のシーン——エリザベートが斬らなければいけない立場でありながら、その人への愛はあるんですよね。エリザベートとして生きてきた、人間として生きてきた間の愛は当然あって。斬らなければいけなくなった立場的に、不死者という立場としても、世間に露見するわけにはいかない、領主的な立場としても斬らなければいけないというところまで行った立場がある。

 

だけど、その人への愛はあるんですよね。それがこう、最後抱きしめながら刺す。男性がそういうのやると熱いシーンになるんですけど、女性がやることによって、退廃的な美しさというか、こういうのが女王ステらしいんじゃないかなって思わせてくれた作品でした。

 

改めて初演の再演版に関わらせていただくのが本当に面白いなって思いながらやりましたね。

 

アセビカンナ: 『赤の女王2022』では元々エリザベートを演じる予定だった三田麻央さんがコロナウイルスに感染してしまいまして、急遽、千歳ゆうさんがエリザベートにスライドしまして、草場愛さんが登板するということで、緊急登板になったエリアメのお二人の当時の様子いかがでしたか?

 

南武: 本当にすごかったの一言につきますね。千歳さんに関しては、今まで見た作品ではアメリアで出演なさっていて、縁の下の力持ちであるとか、助演としてすごく絶大な力を発揮していたと思っているんですよ。すごいなって思って、こんなに作品を支えてくださってって思っていたんですけど、自分がいざエリザベートになった時の、その作品の背負い方が、うわ、すごいなって。アメリアとして、従者として見ていた主ですよね。それをきちんと自分が体現してくれたなって思ったし、シリーズを通して出続けている人間としてこの作品を背負ってくれたなってめちゃくちゃ思いました。で、それをしっかりと草場さんがアメリアというキャラクターを継いでくれて。もちろん通常の役作りなんてとんでもないわけですよね。その中でも千歳さんが背負って、草場さんがそれを引き継いでいってくれて。エリザベートとアメリアが主演ではない作品なんですけど、この世界観のすべてを二人が担ってくれたなっていうふうに思ってます。

 

 

アセビカンナ: さあ続きまして、シリーズ3作目『純血の女王』の再演になりますけれども、こちらいかがでしたでしょうか?

 

南武: 純血は、間が抜けた!って思いました。輪舞・演義ときて1に戻って、あ、じゃあ次2だって思ってたんですよ。3だったんで、衝撃でしたね(笑)。

 

やりやすかったなと思うのは、エリザベートとアメリアがかなりメインに本筋に絡んでくる作品なんですよね純血と赤は。楽園ってメインのまた一個外側にいるという印象だったから、この女王ステの世界をより自分の中で構築するにあたってはめちゃくちゃいい作品だったなと思っていて。ちょっと赤に似てるよなって思うんですよね。

 

作品の雰囲気も相まって、赤の女王に純血の女王ってすごく似てるなと思っていて、そこにこの親子愛だったりとかが明確に入ってくる。城チームのみんなが本当に家族のようにやっていて、そこにエリザベートとアメリアが来訪して、これは不穏だなって思ったところに、シリーズを通して言及され続けていた死神がやってくるっていう。むちゃくちゃかっこよかったですよね。死神、めちゃくちゃずるいなって思ってました(笑)。

 

アセビカンナ: さあそしてこの純血から三田麻央さんのエリザベートと草場愛さんのアメリア、新生エリアメコンビが誕生しますけれども、このお二人のエリアメいかがでしたか?

 

南武: パワフルでしたね。栗生さんと千歳さんのコンビがすごく完成された主従というイメージだったんですけど、やはりこのお互いにコンビを組むのが初めてなお二人でしたから、すごく主従関係でありながらお互いに支え合っているなっていうのがすごく感じたコンビでしたね。そこがなんだろうな、ある意味前までのコンビっていうのは、エリザベートという主がいて、そこにアメリアがついていってるって感じだったんですけど、お互いで並走しているというか。もちろん舞台上ではちゃんと主従なんですけど、役作りとか舞台を作っていく過程においては、お互いがまだ手探りで、こうやってみよう、ああやってみようっていうのをいっぱいやってくれていて。だからそこからくるパワフルさみたいなものは、今までのコンビにはない、エリザベートとアメリアのコンビだなって思いながら見てましたね。なんかこう野心的なエリザベートですからね、すごく面白い印象でした。

 

⑤『女王虐殺』——「近代化、そして新しい世界観の扉が開いた」

 

アセビカンナ: さあ、時代が流れて近代になります。『女王虐殺』、こちらいかがでしたでしょうか?

 

南武: いや、めっちゃかっこよくて、すごく覚えている作品の一つだし、勘違いでなければなんですけど、虐殺って割と配信とかでのおかわりが多めだなと思っているんですよ。だからこの作品ってやっぱり女王ステにとっての転換点というか、今までは歴史劇的なイメージが強かったのが、よりスタイリッシュになる可能性を秘めてるんだなっていう、そんな作品だったんじゃないかなと思っていて。ここまでの輪舞・演義・赤・純血と全く違う6作品目だったから、めっちゃ面白かったっていうのを覚えてます。

 

アセビカンナ: アクションも剣が主体のものからうって変わりまして、近代アクション、ナイフだったりガンアクションになりましたけど、こちらいかがでしたでしょうか?

 

南武: こんなにガンアクションを舞台上で振り付けるっていうのは僕初めてで。銃ってやっぱり強すぎるから出てこないんですよ。それがこんなに出演者の皆さんが銃を持っているっていうのはすごく新鮮でした。あとはその銃の扱いがとっても上手な出演者の方が出てらっしゃったので、その人とお話をしながら協力していただきながらいっぱい作ったのを覚えてます。もちろん出演者の女優の皆さんも、みんながみんな知ってるわけじゃない。剣よりもなんなら知らないみたいな。中で作っていったな、手探りだったなって思ってます。

 

あとは、剣ってね、近くに行かないと戦えないから、必然戦うシーンになったら近づきゃいいんですけど、銃って遠くから撃つためのものなんで、寄る必要がないんですよね。そこをどういうふうに理由をつけたら寄る理由があるんだろう、みたいなのがすごく面白かったなって覚えてます。

 

照明の文章さんと作っていく中で、アンとゼプツェン(演:花澤桃花)の一対一のシーンがあるんですけど、あそこをこう、稽古場ですごく盛り上がりながら作った記憶があって。不死者は夜目が利くっていうのはどうですか?みたいな。だからアンが照明を消すんですよね。

 

ゼプツェンは聴覚がめちゃくちゃ優れているから、狙いはある程度しっかりしてるみたいな。アンとしては視覚に頼って戦う。どこまで伝わるかわかんないけど、その緊張感にしっかり切り替わるような、近間で戦わないといけない理由を作るのが面白かったなって思ってますね。

 

あとはもう、虐殺ってワゴンがいっぱいあって、それを転換しながらやっていたじゃないですか。それを遮蔽物代わりにして、みんなでくぐり抜けていったりとか、それこそ虐殺だとゾンビがいっぱい出てくるんですけど、そのゾンビをワゴンでガッとブロックしたりとか。ワゴンは中が透けてるから、引っかかって暴れているゾンビが建物の中に入れない様子もすごく見えて、臨場感すごいなって思いながら稽古場でも作っていたし、実際劇場で拝見させていただいた時には、やっぱりやってよかったな、みんな大変な思いをしたと思うけど、面白いなって思いながら見させていただいた、そんな舞台だったと思っております。

 

アセビカンナ: そして女王虐殺といえば、それまでシリーズの名脇役だったアンが主役の物語になるわけですけれども、南武さんから見た女優・星守紗凪さんのアクション面での能力の高さ、いかがですか?

 

南武: むっちゃすごいですね。オーダーしたことは基本的に答えてくれるし、なんかちょっと難しいかな、みたいなことが仮にあったとしても、代替案をきちんと持ってくるんですよ。これはできないけど、こっちなら、みたいな。人間って利き足ってあるんですよ。例えば回ったりとか、舞台上で側転したりとか、踏切足ってのがあってどっちかの足が利き足だから、それができなかったとしても、こっちの足だったらできますとか、こういう入りだったらできますっていうのを提案してくれるので、こっちもオーダーしがいがあるというか、何らかの形では実行してくれるだろうっていう信頼感があるなって思います。

 

あとは星守さん自身のキャラクターの造詣の深さですよね。すごく目を見張るものがあるなと思っていて、なんかその、殺陣振り付けなんで、言うたら僕って稽古には役者さんより行かないわけじゃないですか。なんかそれで、振り付けをして次見るときまでに、ここってこういうことであってます?みたいな、こういうテイにしました、みたいな、この新しいことをどんどん殺陣に付け加えてくれて、どんどんそれによって、星守さんがキャラクターを掘り下げてくれるにあたって、殺陣もちょっとずつ変わっていって、それによって作品がさらに深いものになっていく。

もちろん身体能力の高さもありつつ、それを実行できる能力がある。キャラクターを成立させる、キャラクターに説得力を与えてくれる、その身体能力と役作りの深さが本当に一番の魅力だなって思います。

 

後編へ続く


Text and interview by アセビカンナ

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