26.7.3南武杏輔 単独インタビュー 【後編】

語りあう

「10作品分の愛が、殺陣になる」

 

前編に続き、殺陣振付師・南武杏輔が女王ステシリーズを語る。後編では『女王幻想花劇』以降の作品と、女王ステLIVE、サーヴァントへの思い、そして新章『Rose』への意気込みを聞いた。

 

⑥⑦『女王幻想花劇』『星よ女王に堕つ』——「生田輝と、新しい風」

 

 

アセビカンナ: さあ続きまして、『女王幻想花劇』こちら、いかがでしたでしょうか?

 

南武: 幻想花劇は難しかったなっていうのが一番最初にパッと思い浮かびますね。ジャックの3作目で、前作よりもジャックが積極的じゃないというか、マルガレータの振る舞いに振り回されたりとか、彼女をエスコートしたりとか、そういうかっこよさ、スマートさを殺陣で表現できたら面白いのかなって、やれた作品ではありましたね。

奇術の表現は、台本に「奇術で」って書いてあるわけですよ。えっ?って思いましたよ(笑)。僕は奇術師ではないから。

でもそこは舞台の良さだと思うんですよ。不思議なことが起こっているってみんなで認識しながらやることがすごく大事で、キャストがしっかり表現してくれたら、ジャックがこのステッキを振ると見えなくなる、みたいなことをやってくれた。そして音響効果・照明効果が加わって、稽古場ではステッキ振ってるだけなのに舞台上に上がった時にジャックの能力でやったんだなって表現される。マンパワーってすごいって思った作品でした。

 

アセビカンナ: 『女王幻想花劇』はジャックシリーズ3部作の完結編でもあります。殺陣師・南武さんから見たジャック役・生田輝さんのアクションいかがでしたでしょうか?

 

南武: ジャックって最初から蹴り技を主体にしているんですけど、蹴り技って人によってはちょっと似合わないかなって思ったりもするんですけど、生田さんは本当にスマートだなって思わせてくれる。まわし蹴りとか、女王ステ本編ではないですけど女王ステのライブでも入れたんですけど、それをするだけで舞台がパッと華やかになったり締まって見えたりする。蹴りそのものが美しいということだけじゃなくて、蹴りに行くまでとか、バーンって蹴った後の帽子を直すところとか、そういうことがすごく絵になる方なんですよね。だから立ち姿が本当に素敵だなって思いました。

 

ステッキもむちゃくちゃちゃんと重くて、男性が振ってもあっこれちょっと持っていかれるなっていう重みのあるしっかりした作りの小道具なんですよ。それを感じさせない振り方をしてくださって、その中でクルクル回すところとかも作ってくれて、それが余計にこう、ステッキを身軽に振ってる様子とかも含めて、スマートなジャックにしてくれたなって思います。本当に生田さんならでは、彼女にしかできないものだったと思います。

 

アセビカンナ: 続く『星よ女王に堕つ』こちら、いかがでしたでしょうか?

 

南武: また新しい風が吹いてるなと思いつつ、全く新しいキャラクターが出てくるにもかかわらず、シリーズを代表するキャラクターも出てる。新旧が出会った作品だなと思っていて、すごく楽しかったのを覚えてますね。

 

この辺から結構ステージングにも関わり始めた記憶があります。屋敷が火事になるシーンがあるんですけど、そこを布で表現してくれていて。布がバサッとキャストの目の前に現れると、これが炎です、みたいなことを稽古場で作って、出捌け口が塞がれて閉じてくると炎がバーっと延焼が広がっているような感じで追い詰めてほしいんです、みたいなことをやってくれたりとかして。

 

いわゆるアクションシーンではないんですけど、こういうアイデア出しから関わらせていただいたりしたのがこの辺からですね。

 

シャーリー師匠の槍術については、本当に大変だったろうなって思います。棒ってどっちを使ってもいいから手数がすごく増えて難しいんですけど、それを見事にこなしてくれた。コンセプトとしては、人間が技術を磨き上げてレベルが最強になったらどういう立ち回りになるのか、っていうものでした。

 

不死者の最強に対して人間の最強を目指したキャラクター。だからこそすごくテクニカルだったし、シャーリー師匠の槍術がお客様の心に少しでも残ったんであれば、殺陣師として本当にありがとうございますってこの場を借りてお礼を言いたいです。

 

エリザベートの無双シーンは、この時代のエリザベートがピークで強いっていう印象で作らせていただきました。礼儀作法のリズムで、ワルツのリズムで踊るように倒して切り倒していくっていうのは本当につけてて楽しかったなあ。稽古場で振りをつけた時に三田麻央さんがすごく興奮してくれて、あ、よかったってこの振り付けにしてよかったなって思います。

女王ステ THE LIVE——「殺陣も、歴史の一部になった」

 

 

アセビカンナ: 星よ女王の後、この年の暮れに女王ステ THE LIVEがありましたね。こちらいかがでしたか?

 

南武: めっちゃ良かったですよ。すいません、さっきから良かったばっかりなんですけど、当時を振り返ると、本番は僕も一緒にペンライトを振らせていただいて、本当に楽しかったなっていうのを覚えております。

 

そのライブの中に、この女王ステっていうものの歴史の中に、アクションパートも入れてもらえたことがすごく嬉しかったなって思ったのを覚えてます。やはり舞台と違って日数に限りのある、すごく短い中で、同じ曲はありつつもキャストが違うっていうので、過去作をオマージュしつつ。セルフオマージュなんて初めてだったんですけど、振り自体はちょっと違うというか。

 

でもあの舞台だったからやれたことってあると思っていて、このライブでやらなきゃいけないことはまた別だなと思って。

 

イメージとしてはちょっとカジュアルに楽しめるように、殺陣アクションとしてはなっていたなと思います。殺陣とかアクションって作品の中で、争いごとをお芝居にしたならばこういう表現になるよっていうことだと思っているので、殺陣アクションっていうのは別に必要がなければお芝居を作る上ではいらない要素なわけですよ。その中で、話の脈絡もないけどナンバーの中で立ち回りがあるっていう、やっぱりその気持ちを立ち上げたりするのがすごく大変だから、じゃあよりスタイリッシュに見えるように。

 

だからそのライブでのアクションっていうのは、お芝居の中での立ち回りよりも、いわゆるかっこよさ。アンのかっこよさ、ジャックのかっこよさ、エリザベートのかっこよさみたいなものが見えたらいいなって思いながら振りをつけさせていただいたのを覚えてます。その美しさ、彼女たちを演じてくださるキャストの皆さんのかっこよさ、美しさに対してフォーカスを当てた立ち回りだったんじゃないかなって思ってます。

⑧『楽園の女王』——「ゾンビの泥臭さと、退廃的な美しさ」

 

 

アセビカンナ: そんな女王ステ THE LIVEを挟みまして、シリーズ第2作目の再演『楽園の女王』こちら、いかがでしたでしょうか?

 

南武: 女王ステって結構シックなイメージがあったんですけど、これ結構カジュアルに楽しめるなと思っていて。入り口はライトに、かつしっかり女王ステらしいところをディープに描いていた作品だなと思っていて、裾野を広げるにはすごく良いなと思ってました。

 

アセビカンナ: 『楽園の女王』の中ではゾンビアクションがございました。自我のない不完全な不死者によるアクションですね。

 

南武: あのー、ゾンビってめっちゃいいんですよ。何がいいかというと、あいつらテクニカルなことしないんですよね。掴みかかるとか、噛みつくとか。女優らしからぬ、ガールズの舞台らしからぬ雰囲気をすごく出してくれるなと思っていて。舞台って距離が遠い方が安心するじゃないですか。でもゾンビだとしっかり掴んでくるから、一回離して、スタイリッシュにズバズバンって切ったりするみたいなのが、なんだろうな、泥臭さを生んでくれるなって思います。その中をヒロインである女優のみんなが駆け抜けていく。ゾンビが相手だと思考能力がない、作戦みたいなものがないから向かってはくるけど圧倒的にこっちが強い。そういうスタイリッシュさ、スピード感は出せたんじゃないかなって思ってます。

 

アセビカンナ: アンとエリザベートの一対一。こちらいかがでしたか?

 

南武: 輪舞の時のアンってとにかく強い印象だったんですよね。その前のアンなので、まだ浅はかというか。エリザベートが勝っていいっていうシチュエーションって、なんだかんだあんまりなかったんですよ。誰かが邪魔しに来るっていう状況が多くて。それがメインのキャラクターのアンであるっていうのが面白い要素で。

 

アンの目を切るシーンを、一番最初に思い描いた時に、美しくやりたいと思って。エリザベートが大事なものを抱きかかえるように、アンのことを抱きかかえて、顔、首の後ろをガッと持って、バイオリンを弾くようにブシュって目に当てて切るんですけど。稽古場で案出しの時に、一回刃を入れてもう一回グッて出したいんですよね、みたいな。

 

優雅に見えるようにやったみたいなのがすごく面白かったな、美しさと残忍さが両立してたなって思いますね。

 

やってることはすごく残虐なんだけど、エリザベートの100年くらい生きてきて、いまだに自分の体に起きてることが全く解決する糸口がつかめないっていうものを、アンにぶつけるような鬱憤、八つ当たりをするような、そんな立ち回りだったなっていうのを覚えてます。

⑨『月よ女王に嗤え』——「不死者と人間が、イーブンになる」

 

アセビカンナ: 続きまして『月よ女王に嗤え』こちら、いかがでしたでしょうか。

 

南武: 今まで不死者側にアドバンテージがあったんですよ。この作品においては不死者側のアドバンテージがなくなるっていう、それうまいな、面白いなって思いました。今までは自分たちが死なないっていうのが盾にして戦えてたのが、この作品から不死者と人間がイーブンの状態で戦い始めるっていう。すごくやりがいがあったのを覚えてます。

 

アセビカンナ: 2対2の連戦がありました。女王ステシリーズではなかなかない形ですが、こちらいかがでしたか?

 

南武: ないですね。エリザベートとアメリアというコンビはいるんですけど、一緒に並んで戦うみたいなことはほぼないので。立ち回りって人間関係が入れづらいと思っているんですよ。そもそも戦う理由を背負ってきた状態で戦うじゃないですか。なんですけど、2対2になるとお互いの関係性が戦いの中に持ち込まれるというか、今この瞬間危ないから助ける、それによってより2人の関係性が深まって見える瞬間がすごく多くて。

 

孤児チームはお互いにガンガン庇い合う様子はなく2人ともすごく前向きに戦っている。警察チームは上司の方がガンガン振り回すからタッグではないっていうのが明確に描かれていて。主従チームはもう従者の方が主を守るという関係性が明確。

 

殺し屋の2人に関しては、誇れない職業ではあるけどお互いを思い合う友情があるんだっていうのがすごく描かれていて。1人で戦うんじゃなくて2人で戦うことによって、こんなにも立ち回りの中にキャラクターの心情が入ってこれるんだっていう面白さがありましたね。

 

アセビカンナ: 乱戦もありましたね。メインキャラ同士の乱戦いかがでしたか?

 

南武: 不安になったっていうのは結構ありましたね。僕ふだん秒数で振り付けるんですよ。1組につき20秒ぐらいは見せ場が欲しいってなったら20秒やる。この人をもうちょっと立てたいねってなったら1人あたり15秒で4組分、みたいな。アンとアトレイユが両方いるから両方に時間を割きたいよねっていうのが重なって、振り付けた時に「これ、長くないかな?」って不安に襲われたりとかはしました。結果的に一部カットして調整を経て、舞台上ではスムーズな流れになって楽しかったですね。

 

最後の歌の中でやる3対3の乱戦に関しては、立ち回りってカウントにハメてつけるとちょっと遅くなるんですよ。ダンスって裏拍があるじゃないですか、ワン・エン・ツー・エン。でも立ち回りってどうしてもブンって振るこの「ブン」がワンにしてはちょっと短いけど、ワン・エンにしてはちょっと早すぎる、みたいな。

 

だからスローに見えないように。スローに見えるっていうのは役者さんがサボっているように見えてしまう。それを一生懸命動いているように見せる、そのテンポ感・心拍数で戦っているっていうのをすごくイメージして振り付けをさせていただいたっていう記憶があります。

 

アセビカンナ: アトレイユは元々の戦闘能力が高いキャラクターではないですが、月よ女王では戦わざるを得ない状況がいくつもありました。強くないキャラクターをアクションで表現する難しさというのはどういったところにありますか?

 

南武: これね、お客様と同じ感想だと思うんですけど、弱い不死者っているんだ!って思いました。このぐらいから不死者に、戦闘能力みたいなものに差があるんだっていうことがあって。例えばその、みんな強かったんですよね、不死者って。

 

ジャックはジャックで訓練を受けていたし、エリアメに関しては歴戦のっていう印象があったし、リリィもそうですよね。いろんなところを転々とする旅をしていく中で生き残らなければならないから必然的に強くなる。アンもそうですよね。

 

トレーニングを積んでいた人間時代があって、人のことを斬ることに対する抵抗感も全くなく、バサバサバサバサ、楽園の時に斬っていたんで、だから強いっていうのはすごく納得できるキャラクターだったんですけど、アトレイユって、むっちゃ記憶能力が高いっていう。一度見たものを、完全記憶術じゃないですけど、記憶できている、保存できる、代わりに戦闘能力が著しく低い、っていう不死者だったので、本当に、うわー新しい奴出てきたって思いましたね。

 

そのミステリー要素、事件解決の要素っていうのはアトレイユがやってくれて、強い奴を工夫して倒すっていう、そういう観客とほぼ同じ目線のキャラクターなのではないかなと思っていて、またぜひ出てきてほしいキャラクターですね。

 

難しさ…それこそアトレイユにはコミカルに戦ってもらった印象があるなと思います。カバンを使って戦ったりとかね、したりとか、角材を使って戦ったりとかしてもらったんですけど、とにかく一生懸命に。

 

例えばアンとアトレイユの対比が一番わかりやすいんですけど、アンってナイフでビュッて切りかかって相手に避けられた時に結構すぐ止まれるんですよね。クイックに反応できるんですけど、アトレイユって、うわーっていったらそのままつんのめってババババッと走り抜けちゃうとか、そういうことを結構多めにやってもらいましたね。だから込山さん本人としては、すぐ振り返って戦いたくなるのを、いやちょっとここまで走ってくださいとか、そういったことをたくさんお願いした気がします。

 

で、舞台ってどうしても、お客様に見せるために、その不意打ちをされるときでも、役者さんには視界には入ってることとかもあるんですけど、じゃあこれにあえて気づいてないようにちょっと見せてほしいんですよねっていうオーダーを出したりとか。あとは、アトレイユが人力で矢を射られたりしてくださったりして、あのシーン僕すっごく好きなんですけど、やられの美学じゃないですけど、受けてもらうっていうのがすごく魅力的なキャラクターになったなと思います。

⑩『女王旋律』——「シリーズが積み上げてきたものを、返す」

 

アセビカンナ: さあ、いよいよ現状での最新作、『女王旋律』こちらいかがでしたでしょうか。

 

南武: ある意味虐殺と似たような雰囲気をすごく持っていて、お客様からの期待もすごく高いなって思いながら振り付けに入らせていただいたのを覚えてます。「女王虐殺の前の時代のお話だ!」ということもあって、アンがそこまで銃に慣れていないということをちょっと描いたのを覚えています。月よ女王のラストでアンが銃を持つっていうのは僕の中では虐殺への布石としてやったこと。旋律ではまた銃には頼らないアンというのが見えて面白かったなって思いました。

 

アセビカンナ: アーデルハイト役・和久井優さんのアクションはいかがでしたか?

 

南武: ダンスのご経験があったのもあって、姿勢もよくてキレイだなって思ったのを覚えてます。美しさをこんなに求めたのって初めてだなと思って。元軍人という設定だけどすごくドレッシーな衣装だったんで、回転してこうちょっと衣装ふわっと一回させてからやりたいんですよね、みたいなことをオーダーさせていただいたのを覚えてます。

 

アセビカンナ: ヌックス(演:小山百代)との1対1はいかがでしたか?

 

南武: 最高でしたね。ガンアクション難しいなと思うのは、銃口の向きの管理がすごく難しいなと思っていて。遠くで打ち合えばいいんですけど、このヌックスとアーデルハイトのお二人の因縁に関しては、お互いに顔を付き合わせながら語らってもらいたいなって思って振り付けたのを覚えてます。銃口が向くや否やその手を払って相手を移動させて、また銃を向けて、それを払われて、相手の銃口が向いてくるのをその中くぐって、みたいなことをやって。私はお前のことが嫌いなんだって言いながら、立ち回りになると押し合いの喧嘩になるわけじゃなくて、すごくテンポがいい、小気味がいいっていうのが、二人の昔からの人間関係を描けるような気がして。手数は6手か10手ぐらいしかなくて。その短さで印象的だっていうところまで持っていったお二人に本当に感謝します。

 

小山さんご本人はご自身のことを「私はアクションが苦手」とおっしゃっていたそうですが、そうは見えないですよ!小山さんはアクション自体がというより、アクションの前の動きとかにキャラクターの感情を乗っけるのがすごく上手い。銃を撃つ寸前の動き・演技みたいなものにすごく引き込まれるなって思いながらヌックスを見させていただいたので、ぜひそんなところに注目しながら見ていただきたいなと思います。

 

アセビカンナ: そしてエリアメが蜂の巣にされるシーン、こちらいかがでしたでしょうか。

 

南武: 最初に台本を読んだ時にこれはどうするんだって思いましたけど、ラスボスとしての矜持を見せつけるようなシーンになったらいいなって思いながら振り付けをさせていただきました。

 

僕をこのシリーズの中に入れてくれたのはエリザベートとアメリアという役だなって思っていて、だからこそエリザベートとアメリアのお互いの思いにすごくフォーカスを当てたかった。エリザベートってアメリアが傷つけられることに対してはすごく怒りを覚えるんですけど、助けには行きたくないという不思議な関係性で。三田麻央さんに「エリザベートがアメリアをかばうとしたらどういう形になる?」とか聞いたりして。

 

やってくれたのが全部ギュッと両手で抱きしめる感じじゃなくて、片手で頭を守るぐらいのことまではやるかな、みたいな。エリザベートからアメリアへの思い、アメリアのエリザベートへの思いみたいなものが描かれているのがいいなって思いましたね。

 

あとは終盤でアンがエリザベートの目を切るっていう手があるんですよ。楽園の女王で自分がやられたことをここで仕返す。それがほぼ決め手の一手になって2人を閉じ込めることに成功するので。

 

三田麻央さんと星守さんで、作品をまたいでやり返すって、絶対できないわけじゃないですか演劇だと。それがこの女王ステ「シリーズ」だからこそできた表現だなと思って、むちゃくちゃ熱い!ぜひ見返していただきたいシーンです。

女王ステを支えるみんなへ——サーヴァントという存在

 

アセビカンナ: ここまで10作品振り返ってきましたが、女王ステを語る上で欠かせない存在がサーヴァントの皆さんだと思います。殺陣師の目線から見たサーヴァントというポジション、いかがですか?

 

南武: あのー、率直に、みんな殺陣上手くなりましたね。本当に輪舞の頃と今とではもう言語がすごくスムーズに通じるんですよね。こういうことをやってほしいのかなみたいなものをちょっと先回りしてくれるようになって、むちゃくちゃすごいなと思って。

 

で、本当に見ていて尊敬するのはやっぱりこの段取り事であるとか、時には稽古場でちょっとした代役をやってもらいつつシーンを作る上でやってもらったりしつつ、普段はやらないであろうアクションをこなしてくれつつ、踊りでもあれだけ見せ続けるっていう。だからサーヴァントのみんなこそがやっぱりこの世界を支えてる。1公演につき1サーヴァントは必ず手足を食いちぎられるので、本当に、その、匠ですよね。

 

当然この舞台の嘘っていうのはあるわけですよ。それをお客さんに感じさせないように、手足をちぎられ、斬られ、やってくれるみんなに本当に感謝しかないなって思っています。で、最後の最後までクライマックスのアクションシーンまでを全てやり終えた上で、カーテンコールまで踊り尽くしてくれるというね、そんな、僕にとってはすごく頼れるサーヴァントの皆さんでございます。いつもありがたいです。ありがとうございます。

⑪これから——「新章『Rose』と、この先の女王ステへ」

 

アセビカンナ: 来たる7月には女王ステシリーズ新章不滅部隊編『Rose』が開幕いたします。新章に向けての意気込み、お聞かせください。

 

南武: 台本は読ませていただいて、かっこいいんだろうなっていうのはわかるんですけど、立ち回りってやっぱり運動なので体を張っていただかなければならないから、今からキャストの皆さんへの申し訳なさもありつつ(笑)、お客様にはすごく楽しみにしていただきたいなって思っています。

 

具体的なプランはあんまりがちがちには固めないようにしていて。立ち回り先行になると大体外すんですよ。明確に作品イメージやキャラクターイメージから外れたとき、結構立て直しが難しいので。

 

アイデアはあります。昨今の映画、ガンアクションもすごく増えているし、戦う女性が主人公の海外映画とかでも、この絵面白い、このポージングかっこいいっていうのはあるけど、それはエッセンスとして稽古場には持っていくけどはまらなかったらすぐ捨てなきゃいけない。僕が準備していくのは何秒やろうとか、何手ぐらいやろうっていうだけ。

 

本当に僕もお客様と、同じ以上に楽しみにしているつもりなので、ぜひお客様も楽しみにしていてほしいなと思います。

 

アセビカンナ: 最後に、これを読んでいる女王ステファンの皆様にメッセージをお願いします。

 

南武: 女王ステは4作品目から関わっています。つまり、これを読んでくださる皆様の中には女王ステの先輩たちがいっぱいいるはずなんですよ。なので僕よりも女王ステを長く知っている皆さんにとって、女王ステが「面白くなったな」「豊かになったな」って思ってもらえたらいいなって思っているし、これから先の作品に関しては、見続けてよかったな、応援しててよかったな、これから先も見ていたら楽しみだなって思ってもらえるような振り付けとして、殺陣師として作品に参加したいなっていうふうに思っております。

 

本当に心の底から楽しみにしていてほしいなと思います。これからもこの誰も救われない、けれどもすごく美しい女王ステという作品世界を楽しみにしていただけたら嬉しいなと思います。僕はね、舞台には上がってないですけど、劇場でこれを見ていただけるのをとてもとても心待ちにしている人間でございますので、ぜひ劇場に足を運んでいただけたらと思います。今日はありがとうございました。


Text and interview by アセビカンナ

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