25.6.8『王たちの流儀』Vol.3:磯野大

語りあう

磯野大が語る王ステ 妥協しない、させない

『王たちの流儀』第三弾は、磯野大さんが登場。

シリーズ四作目からの参加ながらも、圧倒的な存在感で物語を動かしてきた。

 

物語の、そして舞台の真ん中に立つ彼に『王ステ』とはどう見えていたのか、一緒に見ていこう。

――そんな『黎明の王』が2023年7月、そして2024年の夏に『王ステ THE LIVE』が開催されましたが、企画を聞いた時の率直な印象はいかがでしたか?

 

磯野大:「ライブやります!」って聞いた時は、「???」って感じでしたね(笑)。ライブ?みたいな。でも、そうか~これだけの作品数をやってきたら、ある程度の曲数があるのか、と思って。

 

稽古に集まった時は同窓会みたいでした。みんなで「イエーイ!」って盛り上がりながら。『王ステ』のすごいところは、みんな明るくて、みんなふざけるんですよ。でも締めるところはちゃんと締める。「作品に全力で向き合う」というのがこのライブでも感じられ、だからここまで作品が続いてきたんだなって改めて感じましたね。

 

先頭を走るお二人(佐藤弘樹さんと鵜飼主水さん)をみんなが信頼していて、この2人がいるから自分たちも頑張らなきゃな、と。お二人を筆頭に歴史を作ってきたから、こうやってライブもできるんだなと思いました。

――『王ステ』といえばの六行会ホールよりも大きい会場でしたね。

 

磯野:そうなんです、六行会ホールより大きいあのキャパが満席という…愛されているんだなって思いました。「そりゃそうだよな、とても素敵なお二人が先頭を走っていて、周りのキャストも素敵な人たちが集まっているんだから。それは愛してもらえるよな」って納得できる回でしたね。自分にとってはすごくいい機会でした。

 

――初めましての方々との交流はいかがでしたか?

 

磯野:問題なかったですね。男ってバカなんですよ、お酒を飲んだりご飯に行ったりしたらすぐ仲良くなるというか(笑)。「ごはん行こうよ!」から「明日もよろしく~!」って、打ち解けるのに時間もかからなかったですし。

 

本番に関しても、緊張とかはまったくありませんでした。人間誰しも相性というのはあると思うんですけど、嫌な人が本当にいないんです!みんないい人!『王ステ』って本当にすごいんですよね。

 

打ち上げの参加率も、仕事がある方とかは除いてほぼ100%なんです、行ける人は全員来る。

今のご時世、こういう環境ってめずらしいと思うんですよ。行きたくないとか、そういう人がいなくて。ちゃんとやっているからこそお互いにねぎらおうってなるのか…アツいやつが多いんです。(プロデューサーの)小宮山さんのキャスティングには本当に感謝ですね(笑)。

――本番は2日間3ステージとあっというまでしたが、いざ本番を迎えてジェリコとして歌ってみていかがでしたか?

 

磯野:いや~すごかったですよ。サイリウムを振ってもらって、MCでみんなが盛り上がって、謎の一体感がありました。

 

正直不安だったんです。五作やってきている中で一作しか出ていないので、たった一作やっただけのジェリコが堂々と出てきて受け入れてもらえるのかなって。「なんだこいつ」って思われたらどうしようって。でも、実際に舞台に出た瞬間に、歓声がわーーって、客席があたたかくて…。本当に嬉しかったです。

 

僕だけじゃなくて、みんなも感じていたと思います。

『王ステ』のお客さんの熱量って本当に高いんです。アフタートークイベントをやっても、平日にたくさんの人が来てくださって、みんなゲラゲラ笑いながら一緒に盛り上がってくれる。なかなかそういう舞台って無いと思うんです。やっぱりお客さまあってこそだなと、だからこそジェリコも存在できているんだなと思いました。

――磯野さんといえば魅力的な低音ボイスから出る力強い歌声が印象的ですが、歌に臨むにあたって、普段の喉のケアやメンテナンスの部分で何かルーティンはあるのでしょうか?

 

磯野:常に喉のケアはするし健康面ももちろん気をつける。それだけは絶対にマストで守ると自分に誓ってやっています。

 

それが功を奏しているのかは分からないですけど、なんとか今のところは本番を乗り切ることができています。喉を痛めたり体調を崩したりすると、僕がいなくなることで稽古も進まなくなってしまいますからね。

 

――本番前もロビーなどで入念に準備をされている様子が見受けられますが。

 

磯野:そうですね。実は僕が尊敬している先輩から教わったことがあって、「舞台をすることに対して当たり前になっちゃいけない」と。

 

お客さまは、どういうものが出されるか分からない状態で、けっして安くないお金を払って一席を買っているわけです。僕たちがそこを裏切ることは絶対にできない。

 

僕のことを観に来てくれているかもしれないし、作品を観に来てくれているかもしれない、ほかの出演者を目当てに来ているかもしれない。でも、この一席、何をされるか分からないものにお金を出してくれている。私たちがそこに本気で努力しないなんてありえないでしょう。

 

そう教わってからは、より妥協しないと心に誓いました。

――先ほどおっしゃっていた「締めるところは締める」という部分ですね。

 

磯野:そうですね~…だって舞台のチケットって安くないじゃないですか!

そこで僕たちが生半可なことをやったら、もう観に来なくなるし、がっかりされてしまう。だから絶対にそこだけは妥協しないし、妥協させない。そう考えています。

 

――『王ステ THE LIVE』2をやってほしいという声がキャストの皆さんからもお客さまからもあがっていますが、もし実現するとしたら「こういうことをしてみたい」というアイデアはありますか?

 

磯野:それこそ、吉田さんと(音楽担当の)hoto-Dさんに『王ステ THE LIVE』用の新曲を書き下ろしてもらうとか。

 

もちろん知っている曲を歌うのも嬉しいんですけど、そこでしか聴けない、『王ステ THE LIVE』限定の曲があったら、お客さまも喜んでくれるんじゃないかなって思います。アーティストのライブでも「ここだけで新曲を初披露します」みたいなのってありますよね!

 

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