五関晃⼀・遠⼭景織⼦・内海光司らが描き出す、切なくも美しい普遍的な物語
舞台『振り⼦』 が開幕
お笑い芸人・パラパラ漫画家として活躍する鉄拳の代表作であるパラパラ漫画『振り子』。時間と愛をめぐる普遍的なテーマと、切なくも温かい物語が話題を呼び、2012年に動画が公開されると1週間で再生回数が300万回を超え、世界中の人々に感動を与えてきた。今回、脚本・23、演出と脚色・吉田武寛がタッグを組
み、主演・五関晃一、共演に遠山景織子、内海光司、福田沙紀、宮里ソル、水瀬紗彩耶といったキャストが顔を揃えた。
<囲み取材レポート>
ゲネプロ前の囲み取材には五関晃一、福田沙紀、遠山景織子、内海光司と原作者・鉄拳が登壇した。
初日を前にした心境、意気込みを聞かれた五関は「僕は舞台の本番が待ち遠しいタイプですが、今回はもう幕が開いてしまうという焦りが少しあります。その緊張感も楽しみながら最後まで走り切りたいです」と語る。
福田は「今回の座組は穏やかでふわふわしたカンパニーです。その中で、皆さんと一緒に作品を作り上げて時を刻むことができるのが嬉しいなと思いながら日々過ごしています。お客様とも、IMAホールでこの時間を刻めたらと思っています」と挨拶し、遠山が「私は最後の円香なので、稽古中、若い時はこんな言葉を交わしたんだ、こんな言葉をもらったんだと思いながら二人の円香を見てきました。その想いをお客様にも伝えられるよう、最後までしっかり届けていきたいです」と意気込む。
また、内海が「2時間弱の舞台ですが、僕は一度もはけることなく舞台上にいます。台本チェックする暇も水
を飲む暇もなく!」と嘆くと、鉄拳から「スタッフさんがお水持ってきてくれるとかないんですか?」と素朴
な疑問が。内海は「ないんですよ!」と答えつつ、「役者としては大事な使命ですし、物語に没頭しているの
で頑張れます」と笑顔を見せた。
原作者の鉄拳は、「僕はこの舞台についてあまり聞いていなくて、実はあまり分からないままこの日を迎えました(笑)。3年前に舞台をやるとは聞いていたのですが、今年の7月になって急にキャストと公演スケジュールの連絡が来たので待ち遠しいと思う時間もなく(笑)」と大急ぎで準備したと話す。
内海が「鉄拳さん、スケッチブックを持ったまま楽屋をうろうろしてネタを探していました(笑)」と話すと、五関も「似顔絵とかも描いていただきました。本当にありがとうございます!」と、鉄拳が今回の舞台に向けて様々な協力をしてくれたことを明かした。
今回の舞台では、主人公・等時(とうじ)とヒロイン・円香をそれぞれ3人の役者が演じ、青春期・青年期・晩年期を描く。同じ人物を演じることについて、内海は「青春期や青年期のお芝居を舞台上で見るので、自分の若い時を見ているという珍しい経験をします。不思議な感覚がありますよね」と五関に尋ね、五関も「青春期を見ていると微笑ましいけど、自分の青年期を経て、晩年期の内海さんを見ていると苦しくなってきたり後悔したり。本当に不思議な感覚です」と頷く。
福田は「青春期は円香の眩しすぎる輝きが放たれています。そこからちょっと現実を知る私の時代がある。その差も考えながら作りましたが、こうできたらもっといい道を選べていたかもと思いながらも二人で前を見て歩いて行こうとする姿を一生懸命演じたいです」と意気込み、遠山は「若い頃を見ているとニヤニヤしてしまいますが、甘酸っぱい時代から時を経て三世代を作り上げるというのはやっぱり独特。見どころの一つでもあるのかなと思っています」と語った。
この構成には原作者である鉄拳も驚いたそうで、「台本を読んだ時は全く分からなかったのですが、お芝居を見たらこうきたか!と、逆に勉強させられました。僕が描いた世界観をパズルにして、うまく組み立ててくださった23さんも吉田さんもすごい」と絶賛する。
最後に五関が「パラパラ漫画の感動をそのままに、新しく生まれ変わった素敵な舞台版となっています。観にきてくださった翌日まで目を腫らす覚悟で来てください。ご来場お待ちしています」と呼びかけ、囲み取材を締め括った。
<ゲネプロレポート>
鉄拳によるパラパラ漫画をベースに物語を補完し、舞台ならではのストーリーに仕上げた本作。やんちゃだが素直な青春期・夢を追いかけながら現実に飲み込まれていく青年期・挫折を経て変わってしまった晩年期という3つの世代の物語が同時に進行し、時折自分自身と会話をしながら人生を振り返る構成が面白い。
水瀬・福田・遠山が演じる円香との切なくもあたたかい物語が主軸だが、宮里・五関・内海という等時(とうじ)同士の絡みも楽しく、時々よそ見をしたくなってしまう。
“同じ人物を演じる役者が3人同時に舞台上に存在する”というユニークなスタイルだが、中心で進行する各世代のエピソードに対し、他の世代の等時(とうじ)が喜んだり、自身の発言や態度に憤ったりすることで、円香への想いがしっかりと見えてくる。舞台ならではの描き方になっていると感じた。
また、時計盤のようなセットをぐるぐる回りながら時間が混ざり合っていくような演出、映像とアナログな表現を組み合わせることで生まれる美しさも見どころ。タイトルの『振り子』が映像や楽曲の振りで繰り返し登場し、強い印象を残している。
不器用な二人の人生を、ユーモアを交えた言葉と美しい音楽で描く本作。舞台『振り子』は2025年9月6日(土)~14日(日)まで東京・IMAホールで上演される。

<STORY>
不良でバイク好きな永井等時(ながいとうじ)、天真爛漫な片瀬円香(かたせまどか)。
ふたりが出会う時、振り子は静かに動き出すー
惹かれあい、繋がり、そしてすれ違い、悔やみ。
それぞれが過ごす一瞬のような日々。
ふたりの3つの時間を行き来しながら、振り子時計は残酷にも時を刻む。
人生は
カチコチカチコチと
右へ左へ
揺れ続けて進むー
<公演概要>
タイトル:舞台『振り子』
原作:鉄拳
脚本:23
演出:吉田武寛
出演:
五関晃一(A.B.C-Z)
福田沙紀
遠山景織子
宮里ソル
水瀬紗彩耶
西村菜那子
小日向美香
田中晃平
早川維織
内海光司
日程:2025年9月6日(土)~9月14日(日)
会場:IMAホール
チケット:全席指定/税込 9,800円
チケットぴあ w.pia.jp/t/furiko/
ローソンチケット https://l-tike.com/st1/akn0pe5alqosj27irckb
イープラス eplus.jp/furiko-stage/
公式サイト:https://www.furiko-stage.com
公式X:https://x.com/furiko_stage
主催:舞台「振り子」製作委員会