25.11.5『イリス・ノワール』の世界をナビゲート!? ミエリ・ホーリーの黒魔術学院ガイド -前編-

待ちのぞむ

 

第2回 寮長の4人
‐ケンカするほど仲が良いイリスたち‐

 

 

ケンカするほど仲が良い!?

 

ミエリ:第2回目は、エウラリア黒魔術学院の各寮を束ねる4人の寮長にお話を聞きたいと思います! アタナシア寮長、ニト寮長、トレミー寮長、そして、フランソワ寮長。よろしくお願いします!

 

アタナシア:おっけー! 薬草学科ユーノー寮のアタナシア・パピルスで〜す! やっぱミエリは薬草学科だから、私をはじめに紹介してくれたってわけだ? 公私混同しちゃって、コノコノ!

 

ミエリ:そ、そんなことはないんですが……。

 

トレミー:あー! ずるいずるい! 占星術科ウェヌス寮のプリトマルテミス・プトレマイオス――通称・トレミーだよ! ニトの妹さんがエジプトから来るときもボクの出番なかったし! 最近、みんなボクのこと忘れてない!?

 

ニト:おいおい。初っ端からグダグダじゃねーか。死霊術科ディスコルディア寮のニトール・ネフェルティだ。ま、「ニト寮長」って呼んでくれ。トレミーが言った妹は、エジプトネフレンケム神学府に通ってた妹のクリス・ネフェルティで――。

 

フランソワ:ニト? 妹愛は結構ですが、これは寮長インタビューであることをお忘れなく? お初にお目にかかります。錬金術科ミネルヴァ寮のフランソワーズ・アヴェルグと申します。寮長のなかでは一番まともな部類でしょうね?

 

ニト:気に入らねえな? んだよ、その言い方は。

 

トレミー:そうだそうだー!

 

フランソワ:みなさん? 魔術とは混沌に秩序を与える術。人が己の衝動に飲まれたとき、魔力は暴走し、世界は再び原初の闇へと還るでしょう。だからこそ、イリスたるものは、己の内に戒律を持たねばなりません。

 

アタナシア:うわぁ、でた、フランソワの説教モード。あたしはそーゆー、かたっ苦しいのとかめんどーくさいなぁ……。

 

ミエリ:ああ! すみませんすみません! 私がちゃんと仕切れていないばかりに! 本日はこれから黒魔術学院に入学をご検討の方に向けて、学校紹介ができればと考えております! ちなみに、寮長のみなさんは本当は仲がいいんですよね?

 

ニト:そうさな? 腐れ縁ってやつだな?

 

ミエリ:私は先輩方の友情に感動しました! ニト寮長が自らの命を犠牲に妹のクリスさんを助けに行った際には、フランソワ寮長が手助けして……。

 

フランソワ:ま、魔術貴族の義務ですわ。

 

アタナシア:二人ともそんなこと言っちゃって〜。ちっちゃいころはさ? 〝お花摘みにいく〟ときはいつも手繋いで行ってたくせに〜

 

ニト:おい、変態薬草師!

 

フランソワ:な、何を公式の場で話されているんです!?

 

トレミー:ねえねえ、お花摘みにってどーゆーこと? ニトとフランソワはどうしてそんなに慌ててるの? この間も手繋いで……。

 

ニト:フランソワが錬金格闘術でのしちまうまえに、その口を閉じたほうがいいんじゃねえか?

 

フランソワ:そうですわよ、トレミー?

 

トレミー:も、もう……言いま、ふぇん。

 

ミエリ:あの〜、新入生に向けた広報活動であることをみなさん、お忘れないように〜。

 

各学科の特徴

 

ミエリ:仕切り直して……。エウラリア黒魔術学院は、4つの寮・4つの科に分かれて、専門的に黒魔術が学べるんですよね?

 

フランソワ:専門性はもちろんですが、イリスとして必要な教養を身につけるべく、一年時は各科の講義を一通り受けていただきますわ。

 

ニト:めんどくせーけど、上級生になればうぜー他学科の授業が免除されるぜ?

 

トレミー:一番、イリスが多い学科は、占星術科なんだよ! えっへん! やっぱみんな星占いとか将来のこととか気になるのかな? 一番イリスが少ないのって、死霊術科?

 

ニト:ほっとけ。ウチは少数精鋭。骨のあるヤツだけがくればいい。

 

フランソワ:就職先としては、我らが錬金術科は身持ちが固いのに不人気で悩んでおります。

 

アタナシア:貴族派閥が威圧的で入りづらいんじゃないかな〜

 

フランソワ:何をおしゃいます! 我が寮は業界未経験、フツーの方でも楽しく学べる、アットホームな明るい学び舎ですわ!

 

ニト:うわっ、それブラック企業の常套文句じゃねえか。

 

ミエリ:ミサも同じこと言ってましたね〜。薬草学科は薬草や魔法薬などの調合をする、大人しいイメージがあると思いますが……。

 

アタナシア:ダメダメ! ずっと研究室にこもってばかりじゃ、真の薬草師とは言えないね! やっぱ自ら未知の毒薬を試して知識の更新をしていかないと!

 

フランソワ:だからって、よくわからないキノコ食べて1日中高笑いしたりしてるのはいかがなものでしょう?

 

ミエリ:あの! そーゆーことしてるの、アタナシア寮長だけなんで!

 

アタナシア:そんなことないでしょ。ミエリだって、この間、惚れ薬の調合、興味津々だったし……。

 

ミエリ:あー! 寮長! そのことは! ご勘弁を!

 

ニト:おー? 誰に惚れ薬使おうとしてたんだ? 気になるな?

 

トレミー:男の子、ウチの学院にいないよね?

 

アタナシア:待ってください!? もしかして……、そういうことですの、ミエリさん!?

 

ミエリ:あー! もう羞恥心で死ねる! 私の密やかな思いを全世界に発信しないでくださーい!

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【第3回:講師は一流の黒魔術師】
【第4回:エジプトにも魔術学院が!?】

 

後編に続く・・・

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