25.11.5『イリス・ノワール』の世界をナビゲート!? ミエリ・ホーリーの黒魔術学院ガイド -前編-

待ちのぞむ

 

第1回 学院長は…邪神⁉︎
‐クトゥルフ神話の邪神と黒魔術の関係とは!?‐

 

 

入学はやめておきなさい

 

ミエリ:第1回目は本学院の学院長・クアチルさんと、学年主席のコクナ・ミサさんにお話を聞きたいと思います! クアチルさん、ミサ、よろしくお願いします!

 

クアチル:なんだか緊張いたしますね?

 

ミサ:このインタビューの目的は、新入生に向けたものっていうことなのかしら?

 

ミエリ:そうですね。

 

ミサ:なら先に言っておく。あなたたち? 入学はやめておきなさい。

 

ミエリ:ちょっとミサ〜。

 

ミサ:私は中途半端な考えで来てほしくないと思っているわ。絶対死ぬもの。

 

ミエリ:もう~、クアチルさん、フォローお願いします!

 

クアチル:ミサさん。新入生がやってくるということは、今度はあなた方が先輩になるということですよ?
後輩ができたら、楽しいじゃありませんか。

 

ミサ:私たちが……先輩に……?

 

ミエリ:エウラリアには素晴らしい寮長たちもいますし。私たちも寮長たちを見習って……あれ?
ミサ? 顔が赤くなってるけど……?

 

ミサ:無理無理無理! 絶対ムリ! 私は自分のことだけで精一杯よ。あなたたち! やっぱり入学はしないで!
黒魔術って、神への叛逆行為だった!?

 

クアチル:ミサさん。自信をもってくださいな。
あなたは《深淵の姫君(プリンシエ・アビスン》として、様々な窮地を乗り越えてきました。
その経験は十分、新入生たちの学びになるはずですよ。

 

ミサ:ちょっとクアチル。いいの? プリンシエのこと。軽々しく話して?

 

クアチル:問題ないでしょう!
あなた方は我が学園が誇るイリスたちなのですから。
ね?ミエリさんも《深淵の姫君(プリンシエ・アビスン)》のお一人です。

 

ミエリ:えっと、一応、新入生のみなさんにもご説明しておくと……。
黒魔術というのは、「神への叛逆」なんですよね?

 

クアチル:ええ! なんたって「黒」魔術ですから。
人を呪ったり、惚れさせたり、毒を作ったり、怨霊と交信したり……。

 

ミサ:死者を蘇らせようとしたりね? ま、私は断念したけど……。

 

ミエリ:あーもう! お二人とも! そんなんじゃ、全然広報になりませんよ!
黒魔術はいいことにも使えます! ……灯りをともしたり。

 

ミサ・クアチル:……。

 

ミエリ:えーっと!!!よーするに、黒魔術というダークな魔術を行使するには、ダークな力が必要です。
そこで、我らイリスたちは、邪神の力を使うわけです!

 

クアチル:そんな邪神の申し子。強力な黒魔術を扱えるイリスが、《深淵の姫君(プリンシエ・アビスン)》というわけですね?

 

ミサ:私は《深淵の姫君(プリンシエ・アビスン)》だから、生き延びられた。あなた達には無理よ。

 

ミエリ:まだ言うか! エウラリアには、黒魔術を学ぶフツーのイリスたちもたっくさんいます! そうですよね、クアチルさん?

 

クアチル:ええ、もちろん。業界未経験、フツーの方でも楽しく学べる、アットホームな明るい学校ですよ。

 

ミサ:何、そのブラック企業の求人文言みたいな言い方……。

 

クアチル:黒魔魔術とはすなわち、神々が定めた理(ことわり)を疑い、塗り替える力。
その起源をたどれば、我々《邪神》の領域に行き着くわけですが……。

 

ミエリ:あーっ! クアチルさん! 今、〝邪神〟って! 〝我々〟って!

 

クアチル:おほほほ……、これはこれは。でもみなさん、クトゥルフ神話で親しみがあるんじゃないですか?

 

ミエリ:そういう問題じゃなくてですね!

 

ミサ:諦めなさい。手遅れよ。このインタビューって編集できるの?

 

ミエリ:《宇宙すべての記録(アカシックレコード)》を書き換えるのは私の黒魔術レベルではちょっと……。

 

クアチル:まあ、まあ。覆水盆に返らずですよ……って、忘れていました!
ワタクシ、クァチル・ウタウスは時の邪神。ならば、時間を遡って差し上げましょうか?

 

ミエリ:あーっ! また言った! 学院を運営する《友愛会(グランロッジ)》のお歴々に怒られますよ!?

 

ミサ:だけど、クアチルが学院長だからこそ、実践的な学びがあることは事実ね。

 

クアチル:ウィ。我が校は即戦力のイリスを育てておりますからね〜

 

ミエリ:とほほ……、最後にフォローありがとうございます。
新入生の方が入学したくなったかやや疑問ですが、お二人とも、ありがとうございました!

 

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