
ミエリ・ホーリーの黒魔術学院ガイド
-キャラクターが『イリス・ノワール』の世界をナビゲート!?-

第3回 講師は一流の黒魔術師
‐戦う術を学ぶために‐
今年の新入生は運命を変える!?
ミエリ:第3回目は、エウラリア黒魔術学院で教鞭をとる先生方にお話を聞きたいと思います! ヤマ先生、ケプラ先生、ヒース先生。よろしくお願いします!
ヤマ:まずは自己紹介をするのが筋であろうな? スニータカーラ・ヤマである。学年主任として指導にあたっているが、専門は死霊術だ。
ケプラ:えっと……、次は我かな? ケプラ・ジョーフナ-。占星術科の講師をしておるが……。普段はあまり人前には出ないようにしておるぞ?
ヒース:グランロッジの魔術騎士で、エウラリアでは特別講師として実践的な戦闘魔術を指導している。ヒース・ホーリーと申します。
ヤマ:ヒース先生はミエリの義姉にあたるな?
ミエリ:そうですね、尊敬すべきイリスです! 義姉様のように強くなりたいと思っています!
ヒース:今は私情を挟むときではない。黒魔術学院の広報が目的ではないのか?
ミエリ:し、失礼しました! ところで、ケプラ先生は普段は研究室から出てこないことで有名ですが、今回、ご協力くださったのは……。
ケプラ:そりゃあ、ヤマ先生に睨まれて……。
ヤマ:(ギロッ)
ケプラ:ほらね? まあ、理由は他になくもないのだが……。
ミエリ:と、いいますと?
ケプラ:星々の運行を読み解くとね? 来年度、エウラリアに集う新たな魂たちは、学院の運命そのものを変える星の下に生まれておるのだ!
ミエリ:ええっ!?
ヤマ:運命を変えるというのは、繁栄か、それとも――?
ケプラ:何をおっしゃいます、ヤマ先生。繁栄の意味に決まっているではありませんか。
ヒース:あの、ケプラ先生、それ、私のセリフ。
ケプラ:あっ……。申し訳ない、ミエリくん! 台本のセリフ、飛ばしてしまった。
ミエリ:うぅ……。ここのところインタビューがうまくいかず、構成台本を用意してみたのですが……。
ヤマ:だから最初から言っておいたのに。この人にそんな器用なことはできないのだ。
ケプラ:あの、めっちゃ我、ディスられてる?
ヒース:ミエリ。気に病むことはない。偽りの姿を見せてなんとする。ありのままの学院の姿を伝えてこその、インタビューだと思うが?
ミエリ:お義姉様にそう言っていただけると、少しは気が楽になります……。
戦う術を身につける
ミエリ:先生方はそれぞれ、教えるスタイルが異なりますが、学院長のクアチルさんの下、どんなことに気を配って教壇に立たれていますか?
ヤマ:失敗をさせることだな?
ミエリ:ええっ、失敗!? 失敗するとヤマ先生に怒られそうでみんな一生懸命避けようとしていると思いますが……。
ヤマ:失敗や挫折を味わずして成長などない。そこに慰めの言葉は意味をなさぬであろう。すべては自分がその挫折から何を学び取るか。私はその手助けをしているに過ぎない。
ケプラ:めずらしく我も同意するぞよ?
ヒース:やはり尊敬すべき先輩方です。私も同感です。黒魔術学院で経験した失敗は、身を守る術になる。のみならず、その経験によって、誰かを守ることもできる。
ミエリ:私は失敗ばかりなので、なんだか勇気をもらったような気がします……。
ヤマ:ただ、失敗した者は厳しく指導するがな? ビシッ!
ミエリ:あはは……。ヤマ先生は乗馬鞭を日頃もっていらっしゃいますね……。
ケプラ:今の時代、コンプラ的に大丈夫なのかねえ?
ヤマ:勘違いをするな? 私はこれでイリスを叩いたことは一度もない。ビュンッ!
ケプラ:今はね? 威圧するだけでパワハラ・モラハラっていって、大問題なんですよ?
ヤマ:そ、そうなのか?
ヒース:例え恨まれ役を買うことになろうと、人を指導する立場たるもの、真の成長を願えば耳痛いことも言わねばなりますまい。ヤマ先生は、そのままで良いかと思いますが?
ヤマ:ヒース先生、フォロー感謝する。
ケプラ:ヒース先生の実践訓練では、樹霊はびこる《禁樹の森》で戦い方を学ぶ授業をご担当されておりますな?
ヒース:か弱きイリスたちに、身を守る術を学んでほしいと思っています。
ケプラ:我のリスクヘッジは外に出歩かぬことだが……。実際問題、イリスはやはり狙われているものなのかな?
ヤマ:邪神教団の暗躍はもちろん、そもそも知識の深淵を求めるがゆえに、邪神に魅入られてしまう者もいる――。
ミエリ:なるほど。
ヒース:互いに支え合うことこそ、エウラリアの本質だと思っています。孤独なまま闇に触れた者は、いずれその闇に呑まれてしまう。けれど、隣に誰かがいれば――ほんのわずかな光でも、そこに希望は生まれる。
ミエリ:お義姉様……。
ケプラ:やれやれ、熱いことを言うのう。だが、あながち間違っておらぬ。我ら占星術師もまた、孤独と向き合いながら星を観測する。その光が誰かに届くことを、心のどこかで信じておるのだ。
ヤマ:ふむ。貴様らは言葉が柔らかすぎる。黒魔術を学ぶとは、己の弱さを曝け出すということ。弱さを知る者だけが、強さを手にする。――それが我が校訓であろう。
ミエリ:あっ、確かに! エウラリアの校訓「影を知り、光を識(し)る」ですね! さすがエウラリアの先生方! インタビュー、お疲れ様でした!
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