2026.10.09MAGAZINE

ラフジャニ第1弾、待望の再演!

 

2019年〜2020年に上演された、“旅”を通じた出会いやエピソードを描く演劇シリーズ「PLAY JOURNEY!」、通称「プレジャニ」。

そのプレジャニが、昨年11月に新シリーズとして「Laugh Journey!」を上演し、物語を新たに再出発させた。

そして、今年の9月9日(水)〜11日(金)の3日間、東京・渋谷の東京カルチャーカルチャーにて「Laugh Journey! -Revisit-」として再演を果たした。

 

作・演出は23氏、音楽はタカハシコウスケ氏と、「カルコメ」や「ビズコメ」など、ILLUMINUSのコメディ作品ではお馴染みとなりつつあるタッグでお届けする。

 

人生を旅として描く演劇シリーズである、「PLAY JOURNEY!」。

今作は再演ということで、Revisit(=再訪)と名付けられており、旅をテーマとする当シリーズにふさわしいタイトルとなっている。

 

サーカス団のピエロ5人の旅がどこへ向かうのか、辿っていこう。

 

 

 

注目ポイント①斬新なステージレイアウトとピアノの生演奏!

会場を目にしてまず驚いたのは、斬新なステージレイアウトだった。

東京カルチャーカルチャーに元々あるステージを舞台として使わず、敢えて通常客席となるフロアの中心をアクティングエリアとして設定し、そこから円形状に客席を設けていたのだ。

この形は、サーカスの円形ステージを表現していることに加え、“360度ノンストップコメディジャーニー”を客席の目の前で繰り広げることが可能になったレイアウトである。

このステージレイアウトだけでも、5人の旅がどんなものになるのだろうと、観客たちの期待が高まったに違いない。

 

また、一歩踏み出せば触れてしまいそうになるほどのアクティングエリアと客席の距離の近さも、プレジャニならではであった。

まさに、“ゼロ距離演劇”、“体感型演劇”を体現する造りとなっており、このステージレイアウトが演者と観客の一体感をより強いものにするのに一役買っていたと言えるだろう。

 

さらに、ピアノの生演奏も、今作の大きな見どころの1つとなっていた。

タカハシコウスケ氏の弾き語り演奏と共に幕を上げた今作。しっとりとしたメロディーを奏でながらも「笑う準備はできてるかい?」とコミカルに観客へ問いかけ、さっそく会場を笑いに包む場面も見られた。

そんな和やかな空気から、徐々にテーマソング「汽笛が聞こえる」の弾き語りへと移っていく。その流れるような展開が、一気に物語の世界へと引き込まれるような、抜群の没入感を生み出していた。

 

 

 

注目ポイント②世界観を作り出す衣装や小道具たち!

衣装や小道具も見逃せないポイントだ。

 

衣装のメインカラーは、キャラクター5人それぞれのイメージとぴったりのものになっている。

皆の先頭を歩くセンター的存在のペドロ(演:渡辺和貴)は赤、クールでツッコミ役を担いがちのリーノは緑(演:田中晃平)、ポジティブで筋トレ大好きなロロ(演:西海龍人)は黄色、ネガティブで泣き虫のウル(演:馬越琢己)は青、ムードメーカーの最年長クラさん(演:武井雷俊)はピンクと、いわゆるメンバーカラー的なものが、トップスやメイクなどの各所に施されている。

 

また、小道具たちも物語を引き立てる重要な役割を果たしている。

アクティングフロアの中央に置かれた標識や周りに置かれた箱などは、塗装が剥がれて木の地肌が見えていたり、表面が欠けていたりと、全体的に使い込まれてボロボロになったような見た目をしていた。

配置された小道具の数は、通常の舞台に比べてかなり少ない方ではある。しかし、世界観に合わせて小道具が作り込まれていることによって、ここは5人が彷徨い続けている砂漠であると観客が認識できるのだ。

 

このように、細部までこだわり抜かれた衣装や小道具が、物語の世界観をより鮮やかに映し出していた。

 

 

 

“Laugh”が飛び交う会場!アドリブで全員大暴れ!?

世界中を流離う移動式サーカス団である、ビッグプレジャーサーカスカンパニー。

そこに所属するピエロ5人が、移動列車のキャラバントレインに乗り遅れてしまい、3日も彷徨い続けてようやく1つの標識に辿り着くところから物語はスタートする。

 

このまま倒れてしまうのでは……?と心配になるほどくたくたに疲れ果てた5人が登場するのだが、そんな心配は一瞬で消え去るほどテンポの良い掛け合いが続いていく。

穏やかなオープニングから一転、笑ったり、泣いたり、怒ったり、ボケたり、ツッコんだりと、怒涛の勢いで進んでいく彼らは“Laugh” Journey!らしく、一気に会場を笑いでいっぱいにした。

 

23氏が手がけるコメディ舞台の特徴は、なんと言ってもアドリブの多さだ。本作も例に違わずアドリブがてんこ盛りで、5人それぞれから飛び出すアドリブに各々が振り回されていた。

しかし、アドリブを盛りすぎて収拾がつかなくなると思いきや、引き際を見極めて、ちゃんと本来のストーリーに軌道を修正していくのだ。

キャストたちのSNSからは、稽古期間中も台本通りには進行せず、各々が好き放題にアドリブを入れていたことがわかる。

これほどまでの自由さは、ある意味キャストたちが2323氏に信頼されている証拠と言えるだろう。

“体感型演劇”の名の通り、キャラクターたちが生き生きと楽しそうにしていることで、観客たちにもその楽しさが伝播して、笑いの相乗効果を大きなものにしていた。

 

 

 

理想と現実の狭間で揺れる心。5人のピエロが出した答えとは-

楽しい時間も束の間、食料も水も底を尽き、さらに方位磁石と地図まで失っているという現実が、5人に突きつけられる。

何もかも上手くいかないと、途方に暮れるピエロたち。次第に険悪なムードが漂いはじめ、そもそもなぜ列車に乗り遅れてしまったのか、犯人探しが始まってしまう。

しまいには、リーノが俺はずっとピエロを辞めたいと思ってた、と言い出す始末だった。

リーノの吐露を受けて、ロロやウルも今まで抱えていた悩みをぽつり、ぽつりと打ち明けはじめる。皆、なりたかった自分、想像していた自分とはかけ離れた己の姿に、やるせなさを感じていたのだ―。

 

 

 

一度歩みを止めたからこそ見えた景色

人生を旅として描くプレジャニ。

今回は、サーカス団のピエロ5人が“旅”の途中で、一度歩みを止めてしまうお話であった。

やりたいことやなりたい理想像、憧れが皆それぞれあるものの、全てが思い通りにいくわけではない。人生という旅は何が起こるのかわからない、ハプニングの連続だ。

しかし、5人は一度立ち止まったことがきっかけで、それぞれの人生を見つめ直し、5人でピエロを続けていこうと再出発することができたのである。

 

人生という長い旅路の中で、一度立ち止まるからこそ見える景色がある。

 

旅の途中で、迷い、悩みながらも手にした答えが、きっとかけがえのないものになっていくのだろう。

 

Text by 黒羽

 

 

 

PLAY JOURNEY! series #1『Laugh Journey! -Revisit-』 公演概要

 

【公演名】 PLAY JOURNEY! series #1『Laugh Journey! -Revisit-』

【作・演出】 23

【音楽】 タカハシコウスケ

【日程】 2026年9月9日(水) 〜 9月11日(金)

【会場】 東京カルチャーカルチャー

 

【INTRODUCTION】

世界中から旅人が集う東京のホステルを舞台に、”旅”を通じて生まれる出会いやエピソードを描いてきた演劇シリーズ『PLAY JOURNEY!』。

“ゼロ距離演劇””体感型演劇”をコンセプトに、観客と俳優の垣根を超えた演劇体験として、2019年〜2020年にかけて上演され、好評を博しました。

約5年の時を経て、新たなシリーズとして再始動した『PLAY JOURNEY!』。
その第一弾として2025年に上演された《Laugh Journey》が、2026年秋、待望の再演を迎えます。

舞台となるのは、アートとエンターテインメントが息づく多様なカルチャーの発信地——東京・渋谷。

旅先で出会う人々、予測できない出来事、そして思わずこぼれる笑い。
“笑いの旅”をテーマに描かれる本作が、再び観客を巻き込みながら、劇場に新たな体験を生み出します。

帰ってきた『Laugh Journey』。
ここから、”体験としての演劇”の旅が、ふたたびはじまります。

 

 

【出演】 渡辺和貴/田中晃平/西海龍人/馬越琢己/武井雷俊

【公式X(Twitter)】 https://x.com/PLAYJOURNEY_S

【公式サイト】 https://laugh-journey.jp/

【企画・製作】 ILLUMINUS

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