女優たちが銃を持ち、踊り抜く――女王ステ 不滅部隊編『Rose』開幕レポート W主演モモコグミカンパニー×藍染カレンが語る「戦う女の子の美しさ」

「誰も救われない、誰も報われない物語」をキャッチコピーに、血塗られた実在の悲劇をモチーフとして女優のみで描いてきたガールズ演劇シリーズ「女王ステ」。2019年から続くこのシリーズの新章【不滅部隊編】の第1作『Rose』が、7月2日、東京・品川の六行会ホールにて開幕した。全三部作で構成される本編の第一作となる『Rose』では、秘密裏に存在した女性だけのドイツ軍部隊「不滅部隊」の結成と敵対勢力による戦い、そして悲劇的な運命が描かれる。本記事では、初日を直前に控えて行われた公開ゲネプロ、及び囲み取材の模様をお届けする。
脚本・演出を手がけるのは、シリーズ第1作から作品を紡いできた吉田武寛。W主演を務めるのは、モモコグミカンパニーと藍染カレンの2人だ。共演には大滝紗緒里、佐武宇綺、田中ちえ美、小日向美香、小山百代、生田輝ら実力派キャストが顔を揃えた。

物語の舞台は、戦争の気配が漂う欧州。街で作家活動をするミアは、ドイツ軍特別部隊に所属するリーザと出会う。あることをきっかけに敵対勢力への復讐を誓ったミアは、その特別部隊への入隊を志願する――。圧倒的な迫力の銃撃アクションと、心揺さぶる歌唱シーン。そして、歌とガンアクションが融合したクライマックスは、まさに息を呑むという言葉がふさわしい。さらに、女王ステには欠かせない、特殊な儀式で召喚される“悪魔”と、その呪いによって永遠の命を与えられた“不死者”の存在も本シリーズにしっかりと踏襲されている。この世界の秘密は、ぜひ劇場で確かめてほしい。

公開ゲネプロ後には囲み取材が行われ、W主演のモモコグミカンパニーと藍染カレンが登壇。初日を目前に控えての心境を語った。
まず口を開いたのはモモコ。舞台経験がまだ多くないという彼女は、稽古が始まる前からとても不安だったと明かす。「この1ヶ月の稽古期間、藍染さんを含めキャストの皆さんにすごく助けられて迎えた初日だったなと思っていて、周りにとても感謝しております」と、共演者への感謝を口にした。
続く藍染は、女王ステシリーズへの参加が今回初めてだといい、これまで女王ステを好きでいてくれた人にも、新しく観たいという人にも楽しんでもらえる作品を作りたい一心で稽古に励んできたと語る。「モモコさんをはじめ、いろいろなキャストの方にたくさんの刺激をいただいて、ついに初日を迎えることができて、本当に嬉しく思っております。最後まで全員で安全に戦い抜けるように、全力で挑んでまいります」と意気込みを見せた。

藍染演じるリーザとの出会いをきっかけに、運命が大きく動いていくミア。この役を演じるうえで大切にしたことについて、小説家としても活躍するモモコは「人が書いた脚本を演じるというのも楽しそうだなと思ってやってみたんですけど、すごく難しくて……」と率直に振り返る。それでも、物語を書いたり、いろいろなことに悩んでしまったりするところはミアと同じだと感じており、「自分でも普段感じているような感情をミアにも落とし込めるように意識して臨んでおりました」と語った。

一方、圧倒的な存在感を放ちながらも、繊細な一面を持つリーザを演じる藍染。この役について彼女は、「思っていることを素直に口に出せない、顔にも上手く出せないという弱さや繊細なところを強く武装して、実際に強くなって生きてきた人物」だと分析する。当初はミアが憧れるような、たくましく強いヒロインでありたいと考えていたそうだが、「だんだんとリーザを通じて“人間ってこういうところがあるよな”といったような、リーザの愛らしいところもしっかり見ていきたいなと思っています」と、役への愛着をのぞかせた。

大きな見どころでもある歌唱シーンと本格的な銃撃アクションについて聞かれると、モモコは「苦労した点は全部です(笑)」と苦笑い。「銃を持ってのアクションも本当に馴染みがなくて、かっこよく見えるとしたらどうしたらなるんだろうと、先生に教えてもらいました。あと弱々しかったミアが、最後の大立ち回りで銃を持って挑む、成長したシーンが一番の見どころだと思います」と、注目してほしいポイントを挙げた。

同じ問いに藍染は、ビジュアルを最初に見た時から戦うことは予想していたというが、「想像の5倍は戦いました」と笑う。「しかも私だけでなく、ほぼ全てのキャストが戦いまくりで。よく女王ステシリーズに出演されている方も『今回はめちゃくちゃ戦うね』と言っていたので、今回すごく戦っているんだと思います」。そのうえで、「女の子がちょっとロリータみたいな服を纏った状態でバリバリ戦っていくというのは、すごく美しいと思いましたし、みんながみんな、自分の思いを込めて戦い、そして踊り抜くところに女王ステの素晴らしさがあると思っていますので、注目していただきたいです」と、本作ならではの魅力を熱く語った。

本作が初共演となる2人に、お互いの印象を尋ねた。まずモモコは「一度もお会いしたことがなかったので、勝手なイメージしか持ってなくて、最初はすごく強い子なのかなと思っていたんですけれども、実際会ってみると、とても親しみやすくて人間味溢れる子だなと思って、すごく安心しました」と、藍染への第一印象を明かす。さらに、雨の日に稽古場へ向かう際、傘をささないモモコに藍染が気づき、相合傘で稽古場まで送ってくれたという微笑ましいエピソードも披露。「優しくしていただいたのをすごく覚えてます」と振り返った。

対する藍染は、たくさん動く舞台が初めてというモモコがどんな稽古をするのだろうと思っていたそうだが、「稽古序盤から、普段から言葉を取り扱う方なのもあってか、演出の吉田さんに『ここのセリフってどういう意味なんですか? こういう心であってますか?』と、丁寧にセリフを取り扱っていて、言葉をすごく大事にする方なんだなと思って、とても素敵だと思いました」とモモコの印象を語る。さらに、普段あまりご飯を食べないというモモコが、体力を使う稽古期間中に一生懸命おにぎりを頬張る姿に「『あ、可愛いな』と思いましたし、そのためにご飯を食べてくれて有難いなと思いました」と、稽古場での温かなエピソードも明かしてくれた。

稽古期間中に「ここが女王ステらしさ」と感じた部分について、モモコは衣装を挙げ、「すごく素敵だなとずっと思っていて、役に入り込みやすくて、素敵だなと思います」とコメント。一方の藍染は、女王ステが悲劇をメインに据えて数々のシリーズを作ってきたことに触れつつ、「今回もメインどころは悲劇というところではあると思うんですけれども、その中にも心に温かい、そして熱いものがあるストーリーだなと思いました」と語る。さらに「今回は薔薇をモチーフにしているところが、いろんなところに散りばめられていて、すごく美しい瞬間が多いので、観ているときに楽しいのではと思うので、早くお届けしたいです」と、作品世界への期待を寄せた。

最後に、公演を楽しみにしている人へ向けてメッセージが贈られた。モモコは「本格的な舞台は初心者なので、お客さんも同じように舞台初心者の方も観に来てほしいとすごく思っていて。ただ観ているだけというよりは、音やアクションにも注目していただければ、あっという間の舞台になるんじゃないかなと思うので、ぜひこれを機に足を運んでいただければ嬉しいです」と呼びかけた。

締めくくりに藍染は「ついに今日から開幕ですけれども、今回はダブルキャストの方もたくさんいらっしゃって、〈Arkチーム〉〈Coffinチーム〉とそれぞれ違った良さが味わえるので、ぜひ両チームともに楽しんでいただけたらなと思っております。全員で最後まで安全に美しく戦い抜けるように頑張りますので、どうかよろしくお願いします」と、力強く語った。

2019年から紡がれてきた「女王ステ」が、新章【不滅部隊編】でどのような悲劇と美しさを描いていくのか。歌とガンアクションが融合するその始まりの物語を、ぜひ劇場で見届けてほしい。女王ステ 不滅部隊編『Rose』は、7月12日(日)まで六行会ホールにて上演中だ。

<公演概要>
女王ステ 不滅部隊編『Rose』
作・作詞・演出:吉田武寛/音楽:hoto-D
■日程
2026年7月2日(木)~7月12日(日) 六行会ホール(東京都品川区北品川2-32-3)
※本公演は【Ark】【Coffin】の一部ダブルキャストにて上演
■チケット料金(税込)
SS席(A列)13,000円/S席(B列~D列)9,800円/A席(E列以降)9,000円



