2024.04.06MAGAZINE

魔法の世界へようこそ! 舞台「イリス・ノワール -禁樹のミエリ-」ゲネプロレポート

ILLUMINUSの手掛ける魔法学院ガールズ舞台シリーズ第2弾が4月3日より開幕!
開幕直前、ゲネプロの模様をレポートします。

「女王ステ」を超人気シリーズへと押し上げたILLUMINUSが次に生み出すのは、魔法の世界に存在する黒魔術学院を舞台としたファンタジー学園もの。
こう書くと流行りののんびり異世界日常系を思い浮かべる人も多いのではないだろうか。筆者もその一人だ。

不勉強にも第1弾を見逃していた私は今作の案内をもらって「あ、種々さまざまなバックボーンを持つ女性キャストがちょっと不思議な魔法の学校で楽しく学校生活を満喫する、って感じかな?」と、失礼にも思っていた。

 

迂闊な私は丁寧な案内スタッフから公演パンフレットを頂戴したにもかかわらず客席に座ってもまだ油断したまま、ILLUMINUS恒例の「キャラクター5分前アナウンス」を聞いていた。演出の吉田武寛氏のこだわりも作を追うごとに「凝り」が高まっていて、このアナウンスから「魔法♪」って感じで、良い。こういう小さいヒネリが楽しい。是非ちょっと早めに客席について耳をそばだててほしい。

 

そう、吉田武寛氏である演出は。そして脚本は春日康徳氏だ。この二人の並びを見れば、今作がのほほん日常系で来るはずなどなかったのだ。

女王ステで美しくも残酷な血みどろ歌劇を創る人と、『攻殻機動隊』の人である。ヒントはあらゆるところに散りばめられていたのに、まさに油断である。

二人の熟練の手管は隙だらけの私の脳髄に、まさに雷の魔法のように一撃をかましてくれた。

 

「ハイ・ファンタジー」というストーリージャンルがあるが、今作はそれとは少し違う。

トールキン的世界観は鳴りを潜め、細かい設定と緻密な背景を感じさせるセリフ運びはまさに「春日節」とも呼べるこだわりっぷりで、私は勝手に「ハードファンタジー」と呼ぶことにした。いや「ハード&ガーリー・ファンタジー」か、とにかく、深めの世界観に立脚したストーリーは完全にエンタメに全振りしていて、なんの前知識も無く楽しめる。

パンフを買って用語集に目を通しておけば、さらに”沼”れること請け合いである。

 

さて、ストーリーを追ってみよう。
舞台は魔法が当たり前に存在する世界で少女たちが学ぶ『エウラリア黒魔術学院』。隣接する禁樹の森に封印された2000年前の邪神が復活の兆しをみせて……、というプロローグ。

学院の1年生、主人公のミエリ・ホーリー(演:星守紗凪)は義姉であり学院の教師でもあるヒース(演:三田美吹)に誘われるまま、森の奥深くへと踏み込み、邪神の誘惑を受けてしまう。果たしてミエリの運命やいかに! というあらましである。

 

プロローグから打ち合う魔法の乱撃と殺陣。派手だ。魔法より剣で戦ってばかりのどこぞの魔法使いとは一味違う。魔法戦はこうでなくては。
ほどなく待ち構えるオープニングの歌とダンス。制服という一律性の中にそれぞれの個性が垣間見える衣裳のこだわりもスゴイ。

ダンスもポップさの中に新規性も感じられて、ILLUMINUSにあっても新しい感じがする。これから始まる物語への想像が刺激されて、ワクワクが止まらない。

 

キャストのひたむきな稽古への努力もそこここに感じられて非常に好印象である。

特に前述の「春日節」を乗りこなす彼女たちは大仰でとっつきにくい呪文を唱える場面がかなりあって、その一つ一つももちろん意味・意図がある。

それも「春日節」を前提とした意味・意図であって、たとえば「光」という単語一つにも悠久の歴史が詰まっていそうな雰囲気があり、それを一つ一つ取りこぼさずに唱えるのだ。まさに魔法、まさに呪文。

彼女たちは俳優というより本当に魔法使いって感じである。

特筆はミエリ・ホーリーを演じた星守紗凪。
パンフレットに「未熟なミエリが少しずつ呪文を覚えるように、私も少しずつものにしてきました」というとおり、序盤のたどたどしさから成長する彼女を自分サイズで演じている。
難しいであろう、目に見えない魔法の乱舞もお見事。自然と応援したくなる星守の魅力が存分に詰まっている。

ヒース役の三田美吹も大注目。強く、美しく、カッコよく。

三拍子が見事に揃った居住まいは舞台のどこにいても迫力があって、一挙一動に目が行く。さらに悪いやつなのだ。

冒頭から邪神の眷属として実に恐ろしい企みを実行して、主人公ミエリを追い詰める。「危ない!」と息を飲む瞬間を生み出す彼女の活躍にも是非注目をいただきたい。

それにしてもキャストはみなどれほどの殺陣の稽古を積んだのだろう。
魔法という、現実世界では存在しない不思議パワーを、見ている観客が違和感なく受け入れられたのは、今作においてはキャストの力量に寄るところが大きいと感じる。照明や音響の効果の助けはもちろんあるが、一人ひとりの魔法のイメージの深さが実に良く現れていた。

「呪文を唱える、魔力が身体に高まる、杖の先から細く鋭く発射する!」という全くもって誰も体験したことなどあるはずのない、でもアニメや映画で誰もが見たことがある、あの、あの、あの感じ。あの感じを違和感なく、VFXも何もない「舞台」でやるのだ。私にとっては実はそこが、一番の圧巻ポイントであった。

 

舞台「イリス・ノワール -禁樹のミエリ-」はそういったありえないものを、イメージとキャストの力によって現出させる、演劇のマジックが大いに充実した素晴らしい作品だ。

魔法をテーマにした作品で現実世界でも魔法と呼べる「舞台の妙」に出会えたことに大いなる感謝を。

第1弾を見ていなくても全く問題なし。
誰もが楽しめる魔法の世界へ、いってらっしゃい!

 

取材・文責:佐野木雄太

 

 

 

 

 

舞台「イリス・ノワール -禁樹のミエリ-」

 舞台「イリス・ノワール -禁樹のミエリ-」

 

【introduction】

「女王ステ」シリーズや落語シリーズなど、人気ガールズシリーズを手がけるILLUMINUSの新しいガールズ演劇シリーズ「イリス・ノワール」。主演に星守紗凪を迎え、第2弾を上演します。

 

【story】

エウラリア黒魔術学院――そこで魔術を学ぶ少女たちを、神秘と表象、芸術のシンボル「あやめ」の花になぞらえ、〝イリス・ノワール〟と呼んだ……。

 

学院に隣接する、禁樹の森。

鬱蒼と生い茂る邪悪な森に連れてこられたのは薬草学科ユーノー寮一年生のミエリ・ホーリー。

彼女は、邪神教団の末裔だったー。

 

禁樹の森にうごめく陰謀が学園を飲み込んでゆく中、ミサもまた運命の渦へと巻き込まれてゆく。

魔術と陰謀が交錯する、マジック・ノワール、ふたたび開戦!

 

【脚本】

春日康徳 瀬良藤吾

 

【演出】

吉田武寛

 

【上演会場】

六行会ホール

 

【上演期間・タイムテーブル】

2024年4月3日(水)~4月7日(日)

※全8公演

 

4月3日(水) 19:00■

4月4日(木) 19:00▲

4月5日(金) 14:00★ / 19:00▲

4月6日(土) 13:00▲ / 18:00★

4月7日(日) 12:00 / 16:30

 

■ →お見送り会

▲→アフタートーク

★→サイン会

 

【出演】

星守紗凪

 

安藤千伽奈

三田美吹

湯本亜美

花澤桃花

千歳ゆう

本条万里子

髙橋彩香

日和ゆず

小日向ななせ

永瀬がーな

橘莉衣

山﨑悠稀

優莉奈

 

伊藤優衣

 

〈エレ―ヴ〉

石田みう 

藤田こころ

山口輝鈴 

結城まお

 

【チケット】

■チケット料金

<S 席>

 9,500円 (特典付 11,300円)

<A 席>

 7,300円 (特典付 9,100円)

<車いす席>※販売期間あり

 7,300円 (特典付 9,100円)A 席内 7 列目車いす専用席

※特典は非売品グッズを予定しています。

 

■Live Pocketにてチケット一般発売中

 https://t.livepocket.jp/t/flh76

 

■公式HP

https://www.iris-noir2.com

 

■公式X(旧Twitter)

https://twitter.com/iris_noir2023

@iris_noir2023

#イリスノワール

 

■企画・製作

ILLUMINUS