2026.08.17MAGAZINETOKYO COL-CUL COMEDY〜BROWN〜

『TOKYO COL-CUL COMEDY〜BROWN〜』観劇レポート

 

『カルコメ』記念すべき第10弾は、滅“茶”苦“茶”でも、どっしり構えた大地の色

ILLUMINUSがガールズキャストのみで描く“色”をテーマにしたオムニバスコメディ、「カルコメ」シリーズ。東京・渋谷のイベントスペース「東京カルチャーカルチャー」で上演される、色(color)と文化(culture)を掛け合わせたコメディ作品ということで「カルコメ」と名付けられた本作は、2022年のWHITEから始まり、GREEN、PURPLE、YELLOW&BLACK、RED、BLUE、GOLD、ORANGE、PINKと色を重ね続けて、いよいよ第10弾となった。

 

今作のテーマカラーは“BROWN”。Aチームは「カルコメ」常連の西村菜那子、小山百代に加え、初挑戦となる沖侑果、十条月、柳美舞。Bチームは第2弾(GREEN)ぶりの西葉瑞希、第5弾(RED)ぶりの里菜、第7弾(GOLD)ぶりの駒形友梨、そして初挑戦の八巻アンナ、由良朱合というメンバー構成となっており、両チームに経験者がいることで、安定感のある座組となった。

 

「麗和落語」「BIZ slapstick comedy」(ビズコメ)シリーズでもお馴染みの23氏が、この最高の演者たちを、まるで鉄板の上でひっくり返すように調理する!最後の仕上げは――茶色の“アレ”!?

 

そんなハチャメチャな“BROWN”公演を振り返っていきたいと思う。

 

 

 

 

 

季節外れのバレンタイン――と思いきや、映えない“茶色”に大ブーイングの嵐!?

“BROWN”をテーマにした今作の公式サイトには、チョコレートを手にしたキャストたちのかわいらしい写真が並ぶ。季節外れのバレンタインがテーマなのかと思いきや……開幕するや否や、キャストの“茶色”への不満が爆発。「ピンクが良かった!」「戦隊ヒーローでも茶色なんて見たことない!」「ブラウンっておじさんの名前みたい!」と散々な言われようだ。Aチームでは小山が、Bチームでは八巻が口々に文句を言う周囲をなだめるまとめ役、もといツッコミ役……もとい“茶色の味方”となる。そんな彼女に次々と“茶”々を入れる周りのキャストたち。果たして“BROWN”をテーマにどのようなコントをするのか、波乱の幕開けとなった。

 

 

 

 

関西の皆さん、堪忍な!ソース飛び交う“茶”番劇

OP後に始まったコントは未来を舞台にしたSF……っぽい気がする世界観で始まる。日本中に凶暴化した関西人があふれる30XX年。彼らに首を噛まれるとアカンウイルスに感染し、もれなく関西弁を喋り、六甲おろしを歌うようになってしまうのだという。皆を救うために奮闘するヤマト(演:西村/西葉)らは、アカンウイルス駆逐防衛隊を結成し、大阪城を根城にするナンデヤー(演:小山/八巻)に挑むのであった。

 

防衛隊の弾丸は関西人の命である茶色のソース――これを浴びれば関西人たちはたちまち大人しくなるのだという。その他にも関西人を敵に回すような設定に対し「あくまでも、これは30XX年なので!」ということを強調するキャストたち。実はこの座組、ナンデヤー役の小山、八巻を含めても生粋の関西人が1人もいないのが密かな面白ポイントでもある(Aチームの十条月に至ってはインドネシア出身である)。

 

西葉らが凛々しく銃を構える姿はまるで某ガールズ演劇のようなテンション感だが、所々のツッコミどころが観客を現実に引き戻す。世界観に没入できるような、できないような、不思議な感覚を味わえるこのコント。ナンデヤーはなぜ全人類を関西人にしようとするのか。最後に待ち受ける(謎の)感動展開(オチ)は見逃せない。

 

 

 

 

 

演出家の無“茶”ぶりで、カオスが巻き起こる原始人コント

茶色といえば大地――続いてのコント『茶色の原始』では、キャストたちがまさかの原始人に扮することに。「ウホッ」だけでコミュニケーションをとる可愛い女子たちの姿に「いったい何を見せられているんだろうか」と思いながらも目が離せない。そんな彼女らのいろいろな種類の“初めて”を観客は垣間見ることになる。

 

火をおこしたかと思えば火傷をしたり、喧嘩をする人がいれば仲裁に入る人も現れたり、とさまざまな“初めて”を経験するキャストたち……と、その様子を実況するスクリーンの文字。AチームとBチームで実況がマイナーチェンジされている部分があり、2チームの違いが最も楽しめるコントでもある。さらに、どうやらスクリーンに浮かぶ文字は予定調和な内容だけでない様子で、時折キャストたちが後方席にいる23氏に「何やらせてんだ!」とばかりにガンを飛ばす。そんなところもこのカルコメのお家芸的な面白さである。

 

西村や八巻ら姉御肌なキャスト陣が、埒が明かず“知能が発達した原始人”になった瞬間もありつつも――基本的に「ウホッ」しか言えない空間でノンバーバルコミュニケーションを続けるうちに、一部キャストはコメディエンヌとして覚醒。特にBチームの駒形はクールなビジュアルからは想像できない強烈な顔芸とジェスチャーでギャップを見せる。またAチームでは突如開催された原始人たちのタケノコニョッキゲームで、小山が原始人設定をかなぐり捨てて真剣にルール説明を始めたり、十条が結局ルールを理解できないまま振り回されたりと、さまざまなハプニング込みで抱腹絶倒のコントであった。

 

 

 

 

 

滅“茶”苦“茶”な展開から、まさかの伏線回収

最後のコント『茶色の真実』の舞台は現代の日本。赤塁(あかるい)という名字なのに暗い雰囲気であることがコンプレックスの真実(まみ)(演:小山/八巻)は、自分を変えるため、“落研(おちけん)”に入部する。しかし落語研究会だと思っていたその部は、“人生落ちぶれた件について話す部”、略して“落ち件”であった。ひたすら明るく見える部活のメンバーたちは、それぞれ全く笑えない不幸なバックボーンを抱えている。そんなヘビーな過去を、気が付けば漫才や落語にして語る彼女らの姿は、もはや本物の“落研”……!?「麗和落語」「勤人落語」シリーズも手掛ける23氏らしいオチである。

 

しかし、物語自体のオチはそこではなく、意外な結末、そして怒涛の伏線回収が待っているのであった。冒頭から“茶”を自虐しながら進んだ4つのコントが見事に1つの作品として繋がっていく様は、それこそ“茶”にかけるとしたら「結構なお点前で……!」というところだろうか。

 

 

 

 

 

千穐楽のコメントで、今作が初舞台となったAチームの柳は「(カルコメは普通じゃないから)これが初舞台だと思わず、次に出る舞台が初めてだと言っていいと皆から言われたが、この作品が初舞台で良かった!」と笑顔を見せた。ハードな初舞台を経験した彼女のこの先が非常に楽しみである。さらに同じくカルコメ初挑戦の沖が「茶色が好きな色トップ3に入ってくるくらい好きになった!」と豪語するも、西村らに「本当か?」「じゃあサイリウムカラーも茶色にするのか?」と詰め寄られる場面も……!一方Bチームでは里菜が「明日から寂しくなるなと思いつつ、解放された気分」とぶっちゃけトーク。笑い上戸の由良は、駒形のコメディエンヌっぷりに散々心を乱された心情を吐露した。両チームともカルコメらしい大変さやハプニングは多々ありつつ、とにかくわちゃわちゃとして楽しかった様子が伝わってくる。茶色いホットココアを飲んだ後のような、ほっこりした気持ちになる公演であった。次のカルコメでは、一体、どんな色に出会えるだろうか。

 

 

text by 通崎千穂(SrotaStage)

TOKYO COL-CUL COMEDY〜BROWN〜 公演概要

【公演名】
TOKYO COL-CUL COMEDY〜BROWN〜

【作・演出】
23

【スケジュール】

6月12日(金) 19:00[A]
6月13日(土) 12:00[A]/15:30[A]/19:00[B]
6月14日(日) 12:00[B]/15:30[B]/19:00[A/B]★アフタートークイベント

【会場】
東京カルチャーカルチャー
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1丁目23−16

【Introduction】

日々の出来事を、どう捉えるか。
予定通りに進まなかった計画や失敗を嘆くのか。
それとも、人生を豊かにするスパイスだと考えるのか。
いつだって、悲観は気分。楽観は意思だ。
出来事を悲観して語れば、それはやがて愚痴や不満となり、世界はくすんで見えてしまう。
しかし、楽観して語り続ければ、それはいつしか喜劇となり、明日への活力へと変わる。
その瞬間、世界は美しい色で満ちていることに気づくのだ。
そう、この世界は、喜劇と色で溢れている。
笑いながら、色をまとい、私たちは進む。
色(color)と文化(culture)を掛け合わせた、「COL-CUL」。
ガールズキャストのみで描く、“色”をテーマにしたオムニバスコメディが、渋谷・東京カルチャーカルチャーで、今、始まる。

【Story】

世界はさまざまな「色」と
「喜劇」に満ちている

茶色く焦げ臭いものたちが
茶色なソースに大感動し
茶色のブレインをフル稼働させて
ついにブラウンな世界がひっくり返る!

安心&信頼のブラウンな
4つの成熟したコントが
全てを包み広がる瞬間
最高にバカに暖かく響き渡る

色々な物語を色々な役で演じる
新感覚!オムニバス喜劇!

いいメンバーが揃ったぜ
あとは暴れるだけなのさ
どしっと構えて笑いを取れば
ブラウンな大地に
綺麗な花が咲くでしょう!

【キャスト】

Aチーム

沖侑果
小山百代
十条月
西村菜那子
柳美舞

Bチーム

駒形友梨
西葉瑞希
八巻アンナ
由良朱合
里菜

【公式サイト等】
公式サイト:https://www.col-cul-comedy.tokyo/
公式X:https://x.com/cul_col
#カルコメ

【お問い合わせ】
contact@illuminus-creative.net
(ILLUMINUS運営事務局)

【企画・製作】
ILLUMINUS

 

SHARE