25.8.18「IMAホール」その魅力とは?
2025年9月公演『振り子』、そして12月公演『虚の王:‖』の上演会場となるのが、光が丘IMAホールだ。これまでも『蒼穹の王』(2024)、『家族のはなし』(2018/2022)、『Infini-T Force』(2018)が上演された。都営大江戸線「光が丘駅」直結という便利な立地にありながら、館内に足を踏み入れると観劇気分を自然に高めてくれる空気が流れている。
これからIMAホールを訪れる人に向けて、会場の特徴やアクセス方法、過ごし方のヒントを紹介する。初めて訪れる人も安心して観劇を楽しめるよう、具体的なイメージを持っていただければ幸いだ。
光が丘IMAホールは1987年に開館し、2020年にリニューアルを経て現在の姿になった。商業施設「光が丘IMA」中央館の4階にある。最大501席を備え、前方6列分の床が可動してオーケストラピットや拡張舞台として使えるなど、柔軟な演出に対応できるのが特徴だ。
また音響可変装置を備えており、クラシックコンサートからストレートプレイまで幅広く対応できる。オーケストラの壮麗な響きも、セリフ主体の演劇の明瞭さも自在に引き出せるのが強みだ。
さらに、スタインウェイやヤマハCFXといった世界的に評価の高いフルコンサートグランドピアノを常設していることも特筆すべき点だろう。舞台上にこれらの名器が置かれるだけで、ホール全体が格調高い雰囲気に包まれる。
照明機材もLED化が進み、繊細な光から力強い演出まで表現できるようになった。舞台と観客を一体にする鮮やかな照明演出は、作品世界をよりドラマチックに際立たせる。中規模ホールでありながら、これらの設備を組み合わせることで大劇場にも引けを取らないスケール感を生み出すことが可能だ。
そしてIMAホールの魅力のひとつは、何といってもアクセスの良さだ。都営大江戸線「光が丘駅」A4出口から直結で、雨の日でも濡れずに到着できる。
出口からエスカレーターで地上に上がるとすぐに「光が丘IMA」中央館の入口が見え、館内に入ると明るいアーケードのような「IMAストリート」が広がっている。通路をまっすぐ進むと右手にカフェが現れるので、そこを目印に角を左に曲がるとエレベーターがあり、そのまま4階へ上がればIMAホールのエントランスに到着する。
館内は広いため初めて訪れる人はやや迷いやすいが、流れを押さえておけばスムーズにたどり着けるだろう。開場時間まで余裕があれば、途中のカフェで一息ついてから向かうのもおすすめである。
電車以外の交通手段も整っている。バスを利用するなら、東武東上線「成増駅」、東京メトロ有楽町線・副都心線「平和台駅」、西武池袋線「練馬高野台駅」から西武バスやみどりバスで「光が丘IMA」までアクセスできる。地元の利用者だけでなく、都内のさまざまな方面から訪れやすいのも利点だ。
さらに車で訪れる場合も安心で、光が丘IMAには1,200台を収容できる大型駐車場が併設されている。24時間入出庫可能で、夜公演にも対応しているのは便利な点である。ショッピングモール内の店舗を利用すれば駐車料金の割引サービスが受けられることもあり、観劇とあわせて買い物や食事を楽しむ計画を立ててもよいだろう。ただし週末やイベント開催時は混雑することが多いため、開演ギリギリの到着ではなく、時間に余裕を持って訪れるのが安心だ。
IMAホールは商業施設「光が丘IMA」の中にあるため、観劇前後の食事や休憩には非常に恵まれた環境だ。レストラン街「IMAダイニング」には、和食から洋食、中華、エスニックまで多彩な店舗が並ぶ。観劇前にしっかり腹ごしらえするもよし、終演後に余韻を語り合いながら食事を楽しむもよし、IMAホールの一日を豊かに彩ってくれるラインナップが揃っている。
中央の吹き抜け「光の広場」は待ち時間に腰をかけるのにちょうどよく、開放的な雰囲気の中で公演を待つことができる。さらに少し足を延ばせば光が丘公園が広がっており、観劇前に自然の中で気分を整えるのもおすすめだ。
劇場に入ると広々とした空間が広がり、その清潔で整った雰囲気は、観劇をはじめる前の気分を自然と整えてくれる。客席はワンスロープ形式で緩やかな傾斜があり、後方席からでも舞台が見渡しやすい構造になっている。コンパクトな作りでありながら窮屈さはなく、座り心地も良いため長時間の観劇でも疲れにくい。サイドブロックは中央に向かって角度がついており、見切れが少ないのも特徴だ。
IMAホールでは、クラシックコンサートや合唱祭、バレエや吹奏楽の定期演奏会などが数多く行われている。地域の発表会や市民劇団の公演、さらには落語や漫才を楽しめる「IMA寄席」も定期的に開催され、幅広い層に親しまれている。近年はジャズやポップスのライブ、朗読劇や声優イベントも行われ、ジャンルを問わない柔軟な活用がなされている。訪れるたびに異なる顔を見せる劇場であることも、IMAホールの魅力のひとつだ。
2025年には、ILLUMINUSが手掛ける二つの注目公演がIMAホールで上演される。
一つ目は9月の『振り子』である。鉄拳の名作パラパラ漫画を舞台化し、A.B.C-Z五関晃一を主演に迎える感動作だ。IMAホールの音響の良さと舞台の近さは、繊細な物語を一層深く味わわせてくれるだろう。
二つ目は12月の『虚の王:‖』だ。人気の「王ステ」シリーズ第8弾として、幻想的な世界観をIMAホールの可動ステージや照明設備が支える。シリーズ過去作も同ホールで上演されており、劇場の特性を熟知した演出が期待できる。この劇場と作品の相性を存分に体感できる機会になるはずだ。
光が丘IMAホールは、公共施設でありながら観劇空間としての特別な雰囲気を持ち、観客に心地よい時間を提供してくれる劇場だ。音響や座席配置、舞台設備が整い、商業施設内という立地から観劇前後の過ごし方も自由度が高い。ぜひ、光が丘IMAホールの空気を存分に味わいながら、舞台の世界に浸ってほしい。
Text 太田 翔子
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会場概要
■住所
〒179-0072
東京都練馬区光が丘5-1-1 光が丘IMA中央館4F
■最寄り駅・アクセス
都営大江戸線「光が丘駅」A4出口直結
※駅から館内を通り、エレベーターで4階へ
■座席数
最大:501席(ワンスロープ形式)
可動ステージ使用時:最小350席
■舞台仕様
間口:約14m
奥行き:約11m
前方6列分が可動ステージ
■駐車場
あり
■コインロッカー・クローク
なし
■公式HP
https://www.ima-hikarigaoka.jp/imahall/
※この記事の内容は2025年8月現在の情報です。
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