24.3.15#イリスノワール
ネットで語る
脚本家·春日康徳が語る『イリス·ノワール』魔術師たちの衣装秘話
ILLUMINUSガールズ演劇チームのデザインワークのセンスとは!?
今回は『イリス・ノワール』シリーズの衣装、メイクなどのデザインワークの仕事について、脚本家目線で話させていただければと思います!
先日、キャスト・スタッフの顔合わせ&読み合わせがあり、『イリス・ノワール 禁樹のミエリ』の稽古がスタートしました!
脚本家の仕事としては、舞台の稽古が始まったら一区切りとなります。
ですから、自分の手を離れた脚本が、演出、俳優、のみなさんによって新たな生命を吹き込まれていく過程は、得も言われぬ感動を覚えます。
我が子がいつの間にやらこんなに立派に育っていた!
……そんな感覚でしょうか。
さて、『イリス・ノワール』シリーズの衣装、メイクなどのデザインワークは、ILLUMINUSガールズ演劇シリーズ(女王ステ・落語シリーズなど)のビジュアルチームが制作しています。
衣装をご担当くださっている後藤みなみさんをはじめ、彼らの台本の読み込み具合や、企画の方向性を読み取っていただくそのクリエイティブには毎回驚かされます。
『イリス・ノワール』の企画のエッセンスは、ティム・バートンやクトゥルフ神話、エドガー・アラン・ポー、ドイツ表現主義、フランス頽廃文学がその根底にあるのですが、それらの要素を、台本を通じてデザインチームは見事に読み取ってくださっているのです。
本日はそのいくつかをご紹介します。
例えば、エウラリア黒魔術学院の黒魔術師の卵・イリスたちの制服。
寮によってはブラウスに縦縞が入っています。
これは、本作の企画立案の際に志向したゴシックファッションの要素ですね。モノクロの縦縞が印象的です。
ケプラ先生に代表される、エドガー・アラン・ポー要素も見逃せません。ハリー・クラークの画(『ベレニス』など)を彷彿とさせる髪型になっていたりします。
男性の文字書きである僕には、女性の髪型に関するイメージがあまりなかったのので、衣装チームが各キャラを魅力的に彩ってくださるのは毎回、驚かれます。
そして、デザインチームの冴えわたるセンスは、『禁樹のミエリ』で初登場するヒース(三田美咲さん)というキャラクターに見事なまでに集約されています。
・ジッパー
・ギザギザの縫い目
・左右非対称
・ドイツ表現主義的傾斜・傾き(平行四辺形)
・拘束ベルト
なんとクールでカッコいいことか!
山﨑悠稀さん演じるキャラクターの衣装は、『シザーハンズ』を想起させるレザー&ジッパーでこちらも最&高ですね!テンションがあがりっぱなしです。
ちなみに、これらの細かな打ち合わせを、僕はデザインチームとしていません!
みなさんが台本から汲み取り、演出の吉田武寛 さん、スタッフ、俳優のみなさんと作り上げていったものなのです。
俳優部、演出部もこのすばらしい衣装を魅せる演出プランを考えてくださっていたり、稽古場で今、作り上げられている世界観が舞台上で繰り広げられるのが、いまから楽しみでしかたありません!
ぜひ劇場に足を運んだ際は、各キャラクターの個性を彩る、豪華な衣装やデザインワークにも、注目していただきたいと思います!
TEXT:春日康徳
SKETCHでは、いよいよ4月3日~7日の上演が迫った「舞台「イリス・ノワール -禁樹のミエリ-」のに期待することや応援メッセージなどをXにて募集します。
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